ソ連の英雄超人ガルボイ・ライカー党中央委員会を批判し窮地
至上初めて、生身で宇宙飛行で実現した超人飛行士ガルボイ・ライカーが窮地に追い込まれている。宇宙から敵国を攻撃せようという命令に反したためだ。
神化39年10月、ハワイ、オアフ島の太平洋艦隊司令部に対し、高々度からの攻撃ミッションがガルボイに下されるが、民間人被害の可能性からガルボイは其れを拒否した。党中央委員会から厳しい追及を受けるも、彼は逆に公の場で党中央委員会を批判。その行為は「反革/命分子的行為」とみなされた。結果、死刑とまではいかないが閑職に追いやられてしまったという。
プラウダの発表では、「ガルボイ・ライカーは反革/命分子である、反革/命とは消極的要素、破壊的要素であり、積極的要素をに反対する力である。反革/命分子は転化できるだろうが、もちろん、骨の髄からの一部の反革/命分子は転化できない。……の条件のもとでは、それの大多数の者は、将来、程の差こそあれ、転化をとげることであろう。われわれが正しい政策をとったので、現にかなりの反革/命分子が、革/命に反対しない者に改造されており、いくら有益な仕事をした者もいる。
いくつか確認しておくべき点がある。反革/命分子にたいする措置としては、死刑、投獄、管制、赦免がある。死刑がとういうものは周知のとおりである。投獄では、獄にいれて労働改造をさせること。管制とは社会に置いておき、大衆の監督のもとに改造をさせること。赦免とは、逮捕してもしなくてもよい者を、一般的には逮捕しないこと、あるいは逮捕のあと態度のよい者を釈放することである。それぞれの状況におうじて、反革/命分子にそれぞれちがった処置をとるのは、必要なことである。
今後、社会における反革/命分子の鎮圧は、逮捕や死刑を少なくすることである。社会における反革/命分子は人民大衆の直接のうらみの的であり、大衆が骨の髄まで憎んでいるので、少数の者はやはり死刑にしなければならない。彼らの大多数については営業協同組合に引き渡して、その管制のもとで生産に従事させ、労働改造をさせるべきである。
しかしガルボイはソ連の英雄である、今までの功績を評価し、死刑や投獄という処置は与えず寛大な処置をとることとする。まだ、彼の気の迷いは、明らかにアメリはを中心とする帝国主義によるものだ。」とある。
英雄として世界的に認知されているガルボイ・ライカーの、このような母国に於ける不遇に対して、同情心を感じずにはいられない。「戦争での勝利」よりも「人命」を第一に考え、それを声高に主張する勇気をもつ人間が、ソ連という国にどれくらいいるだろうか。
彼のような強大の力を持ちつつも高潔な人間を、権力によって閉じ込め管理することは、許されるのであろうか。彼が党中央委員会を批判した際に述べていた印象的な言葉をひとつ引用しよう。
「全ての超人は地球のためにある、それ程までに地球が美しい」