北朝鮮のミサイル発射施設の動向など、安全保障に関する情報を集める政府の情報収集衛星が17日午前10時20分、鹿児島県の種子島宇宙センターからH2Aロケットの33号機で打ち上げられ、衛星は打ち上げから、およそ20分で予定どおり、地球を回る軌道に入り、打ち上げは成功しました。
政府の新たな情報収集衛星を載せたH2Aロケットの33号機は17日午前10時20分、鹿児島県の種子島宇宙センターから打ち上げられ、補助ロケットや1段目などを切り離しながら上昇を続けました。そして、打ち上げから、およそ20分で情報収集衛星は予定どおり、地球を回る軌道に入り、打ち上げは成功しました。
今回、内閣衛星情報センターと打ち上げを行った三菱重工業は、安全保障に関わる打ち上げだとして、衛星を切り離した正確な時間や高度などの情報を明らかにしていないほか、ロケットから地上に届いた映像も公開していません。
情報収集衛星は地球の周りを飛行しながら、地上や海上のさまざまな場所を撮影し、安全保障に関する情報を集める事実上の偵察衛星で、政府は北朝鮮のミサイル発射施設の動向の把握や、日本周辺の海域の監視、災害時の被害の把握などに使用しています。
情報収集衛星には日中に地上の様子を撮影する「光学衛星」と、夜間や悪天候の際に電波を使って撮影する「レーダー衛星」の2種類があり、今回はレーダー衛星が打ち上げられました。
運用中の情報収集衛星は、これで予備機を含めて、レーダー衛星が4機、光学衛星が3機の合わせて7機となり、地球上のあらゆる地点を1日に1回以上、撮影できる体制となっています。
10機体制へ増強の方針政府は去年12月に改訂した宇宙基本計画の工程表の中で、情報収集衛星をさらに増強し、10機体制を目指す方針を明記しています。
情報収集衛星は、日中に撮影に行う光学衛星と、夜間や悪天候の際に撮影を行うレーダー衛星をそれぞれ2機ずつ、合わせて4機で運用すれば、地球上のあらゆる地点を1日に1回以上、撮影できることになり、こうした4機体制は、4年前の平成25年に整いました。
情報収集衛星は現在、予備機を含めて6機が運用されていて、今回の打ち上げ成功で、運用中の衛星は合わせて7機となります。
政府は今後、情報収集衛星をさらに増強する方針で、去年12月に改訂した、宇宙基本計画の工程表の中では、具体的な目標時期を示さない形で、予備機を除いても常時、10機を運用する10機体制を目指すと明記しています。
10機体制が整えば、地球上のあらゆる地点を1日に複数回、撮影できることになります。また、10機体制では光学衛星とレーダー衛星が撮影したデータを地上に送る「データ中継衛星」2機も含まれています。
現在、情報収集衛星は日本付近の上空を通過したときだけに、データを地上に下ろす仕組みですが、データ中継衛星が整えば、衛星が地球上のどこを飛んでいても、できるだけ速やかにデータを下ろせるようになるとしています。
これまでに情報収集衛星の開発と打ち上げ、運用に投じられた国費は1兆2000億円余りに上り、政府の新年度予算案にも衛星の運用費や、新たな衛星の開発費として、620億円が計上されています。
情報収集衛星は設計上の寿命が5年から6年となるため、現状の体制の維持にも、衛星を常に新しいものに更新していく必要があるほか、さらなる体制の拡大には新たな開発費が必要になります。いかに正しい分析するか課題政府の新たな情報収集衛星の打ち上げが成功したことを受けて、衛星を運用している内閣官房・内閣衛星情報センターの木野村謙一所長が、種子島宇宙センターで記者会見しました。
この中で、木野村所長は今回、打ち上げたレーダー衛星について、「情報収集にとって、非常に重要な衛星と位置づけている。衛星の解像度が上がり、信頼できる衛星を新たに入手できたので、安全保障と危機管理の観点から必要な情報収集に努めたい」と述べました。
また、情報収集衛星の今後の運用や整備については、「能力が高くなった衛星を確実に運用し、いかに正しい分析をするかが課題だ。また、宇宙基本計画に示したとおり、情報収集衛星は最終的には10機体制を目指したい」と述べました。
17日上午10点20分,日本宇宙航空研究开发机构(JAXA)和三菱重工业公司在鹿儿岛县种子岛宇宙中心发射了搭载政府情报收集卫星“雷达5号机”的H2A火箭33号机升空。卫星进入预定轨道,发射获得了成功。
情报收集卫星实际上是从太空监测地面的侦察卫星,被认为用于掌握朝鲜导弹发射设施动向等。首相安倍晋三发表评论称:“将最大限度地用好情报收集卫星,为日本的安全保障与危机管理做到万无一失。”
H2A过去曾发射失败过一次,但自2005年起已连续27次取得成功。成功率为97%,提高了日本主力火箭的可靠性。
雷达5号机通过向地面发射电波后捕捉反射,夜间和恶劣气候下也可获知地面状况。由于2011年12月发射的雷达3号机已迎来5年的设计寿命,5号机今后将作为后续卫星使用。研发费用约为371亿日元(约合人民币23亿元),发射费用为106亿日元。
日本政府目前共有6颗情报收集卫星在使用中,包括2颗雷达卫星、1颗预备卫星以及3颗搭载高性能摄像机适用于日间拍摄的光学卫星。2013年日本政府确立了雷达卫星和光学卫星各2颗总计4颗的基本体系,据悉地球上任何地点每天都能拍摄到至少一次。政府为增加拍摄频率,今后力争完成雷达与光学卫星各4颗、数据中继卫星2颗共计10颗的体系。
卫星的情报和所拍摄图片数据本身被指定为《特定秘密保护法》的“特定秘密”,属非公开信息。虽然灾害应对也是目的之一,但负责卫星运行和数据解析的内阁卫星情报中心为避免透露卫星性能,在处理后公布了拍摄的2015年9月关东与东北暴雨等的灾区图片。