あー! お父様なんだよ!」
「エルナお姉ちゃんもいる!」
声のした方向へ顔を向けると、向こうから猛然とダッシュしてくる猫耳と狼耳二人の姿が見えた。そしてその勢いのまま、二人とも大地を蹴って、僕へとダイブする。ちょっ!?
「ぐふうっ!?」
上半身に衝撃を受けつつも、なんとか倒れないように堪える。いま腰がグキっていった! グキって!
「フレイお姉様にリンネ……。お父様に飛びつくのはおやめなさいな。お母様たちに叱られますよ?」
「えぇー? つまんないのー」
「むう。それは困るんだよ。お母様のお説教は長いんだよ……」
クーンがたしなめると、しぶしぶと二人は離れてくれた。腰……痛っ……。【キュアヒール】……。
腰の痛みを回復魔法で治す。パワーありすぎだろ……。
狼耳のリンネが辺りをキョロキョロと見回す。
「おかーさんたちは?」
「いや、リンゼたちとは合流してないよ」
「なんだぁ」
あれっ、お父さんだけじゃ不満ですか? ちょっとサミシイ……。
「奇しくも娘が全員揃ったわけですね。嬉しいですか、お父様?」
「いや、嬉しいけど……。果たして偶然かね……」
クーンがニマニマとした顔で擦り寄ってくるが、これを偶然と片付けていいものかどうか。
なにせあのバカメイドプロデュースだ。これさえも仕込みであると疑ってかかった方がいい。
「娘全員を集めて、僕のみっともないところを見せつけてやろうという企みでは……」
「なんでそんな考えになるんですか……」
ジト目のクーンと、苦笑いをしているエルナ。あれっ、呆れられてる!? はっ、すでに僕はヤツの策略にハマっているのか!?
「妄想逞しいのはおよろしいですけど、先に進みましょう。お母様たちに会えるかもしれませんし」
クーンが先頭になり、みんなもぞろぞろとついていく。確かに考えていても仕方がない。先に進もう。
フレイとリンネが来た方向とは別の方向へ僕らは進む。
あっちに行ったり、こっちに行ったり、途中のトラップをいくつかくぐり抜け、ウロウロとしながらもなんとか進んでいった。けっこうしんどい……。そろそろゴール近くだと思うんだが……。
「あっ、ユミナおかーさんたちだ!」
角を曲がったリンネが叫ぶ。
見るとまっすぐな直線の道の先に、迷路の出口があった。その光景にホッと安堵の息が漏れる。
ユミナにルー、八重、それにメルとリセの、参加しなかった面々がテーブルの席に着き、優雅にお茶を飲んでいる姿が見えた。くそっ、僕も不参加にすりゃよかった……。
なにはともあれ、やれやれ、やっとゴールか。これで嫌がらせのトラップも……ゴール? ゴール前?
「一番乗りー!」
「エルナお姉ちゃんもいる!」
声のした方向へ顔を向けると、向こうから猛然とダッシュしてくる猫耳と狼耳二人の姿が見えた。そしてその勢いのまま、二人とも大地を蹴って、僕へとダイブする。ちょっ!?
「ぐふうっ!?」
上半身に衝撃を受けつつも、なんとか倒れないように堪える。いま腰がグキっていった! グキって!
「フレイお姉様にリンネ……。お父様に飛びつくのはおやめなさいな。お母様たちに叱られますよ?」
「えぇー? つまんないのー」
「むう。それは困るんだよ。お母様のお説教は長いんだよ……」
クーンがたしなめると、しぶしぶと二人は離れてくれた。腰……痛っ……。【キュアヒール】……。
腰の痛みを回復魔法で治す。パワーありすぎだろ……。
狼耳のリンネが辺りをキョロキョロと見回す。
「おかーさんたちは?」
「いや、リンゼたちとは合流してないよ」
「なんだぁ」
あれっ、お父さんだけじゃ不満ですか? ちょっとサミシイ……。
「奇しくも娘が全員揃ったわけですね。嬉しいですか、お父様?」
「いや、嬉しいけど……。果たして偶然かね……」
クーンがニマニマとした顔で擦り寄ってくるが、これを偶然と片付けていいものかどうか。
なにせあのバカメイドプロデュースだ。これさえも仕込みであると疑ってかかった方がいい。
「娘全員を集めて、僕のみっともないところを見せつけてやろうという企みでは……」
「なんでそんな考えになるんですか……」
ジト目のクーンと、苦笑いをしているエルナ。あれっ、呆れられてる!? はっ、すでに僕はヤツの策略にハマっているのか!?
「妄想逞しいのはおよろしいですけど、先に進みましょう。お母様たちに会えるかもしれませんし」
クーンが先頭になり、みんなもぞろぞろとついていく。確かに考えていても仕方がない。先に進もう。
フレイとリンネが来た方向とは別の方向へ僕らは進む。
あっちに行ったり、こっちに行ったり、途中のトラップをいくつかくぐり抜け、ウロウロとしながらもなんとか進んでいった。けっこうしんどい……。そろそろゴール近くだと思うんだが……。
「あっ、ユミナおかーさんたちだ!」
角を曲がったリンネが叫ぶ。
見るとまっすぐな直線の道の先に、迷路の出口があった。その光景にホッと安堵の息が漏れる。
ユミナにルー、八重、それにメルとリセの、参加しなかった面々がテーブルの席に着き、優雅にお茶を飲んでいる姿が見えた。くそっ、僕も不参加にすりゃよかった……。
なにはともあれ、やれやれ、やっとゴールか。これで嫌がらせのトラップも……ゴール? ゴール前?
「一番乗りー!」