【第1回】IEの重要性を考える:IE(Industrial Engineering)は死語か? ここ数年コストダウンや現場改善技術に関する若手向けセミナーで「IEという言葉を知っていますか?」と質問をすると、ほとんどの方が聞いたことがないという反応をします。 またセミナーへの参加理由が「上司に勉強してこいと言われた」「人事部門からこの研修を推薦された」など受け身の回答が多いことを非常に残念に感じています。 これは一重にIEという現場を良くするための技術が企業内で正しく理解、継承されていないことの証拠ではないでしょうか。 これからの日本の製造現場がどうなってゆくのか、非常に強い懸念を抱いています。 なぜなら今、皆様が働いている現場もこのIEの技術を活用して創り上げられてきたものだと思うからです。 もともとIEは製造現場をより効率的に変えてゆくための技術です。 この技術の伝承が途絶えてしまえば、日本企業の製造現場は急激にその強みを失ってゆくだろうと予想しています。 本コラムの読者は、少なくともIEに関する興味を持っている方なのでそれほど心配はしていませんが、ぜひ改めてIEの良さや重要性を考えていただければ幸いです。 また、多くの企業でIEの重要性が再認識され、IEの活用が活発になることを期待しています。執筆者:(株)日本能率協会コンサルティング 角田 賢司(敬称略)