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【GPT机翻】战国小町苦劳谭 98 [千五百七十二年 十二月下旬]

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一楼祭天。纯机器翻译,未做修改仅供试阅。 后续如被抽楼可以去B站找,https://www.bilibili.com/read/cv22773449


IP属地:天津1楼2023-04-08 01:36回复
    书名 战国小町苦劳谭
    战国小町苦劳谭 (戦国小町苦労譚)
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    作者: 夹竹桃
    原作:http://ncode.syosetu.com/n8406bm/
    翻译工具:ChatGPT
    *机器输出的翻译结果UP未做任何修正,仅供试阅。标题章节号为原翻译版的顺延。*
    千五百七十二年 十二月下旬(*原文网页序列号 - 107)
    馬場信春、山県昌景の討ち死に。その報せが信玄の許に届いたのは、静子が武田軍への突撃命令を下す直前であった。
    马场信春、山县昌景战死。当这个消息传到信玄耳中时,静子刚刚下令对武田军进行冲锋。
    誰もが伝令の齎した事実を理解しなかった。否、感情が理解を拒んだ。しかし時と共に事態を受け入れざるを得なかった。
    每个人都无法理解传令官带来的事实。不对,情绪拒绝理解。但随着时间的推移,人们不得不接受事态。
    武田はこの一戦で甚大な被害を出したという事を。
    武田在这场战斗中遭受了巨大的损失。
    武田家最強との呼び名も高い山県昌景率いる赤備え、四十年もの長きを戦場で過ごし、かすり傷一つ負わなかった不死身の馬場信春。両名を失った武田は両腕をもがれたに等しい。
    武田家被称为最强者的山县昌景所率领的赤备部队度过了长达四十年的战斗、没有受到任何伤害的不死身的馬場信春。失去这两人让武田家变得瘸了两条腿。
    「お屋形様! 奴らに一矢報いねば武田の名が廃りまする! 某に突撃の命を!」
    “主公!如果不报一箭之仇,武田的名声就要毁了!请命令我突击!”
    この時点ならば武田には二つの選択肢があった。即ち、継戦か撤退かである。しかし主力を欠いて尚、武田と織田・徳川連合軍との戦力は拮抗していた。
    此时,武田有两个选择:继续战斗或者撤退。然而,在主力不足的情况下,武田和织田・德川联军的战斗力相当。
    勝利の目があるうちに退却するという選択は彼らの矜持が許さなかった。何よりもここで撤退すれば、これまでに得た戦果が全て水の泡となる上に、払った犠牲が無駄となってしまう。
    在胜利的希望还存在之际退却,这是违背他们的尊严所不能容忍的。因为在这里撤退的话,不仅之前获得的胜利会化为乌有,所付出的牺牲也将变得毫无意义。
    武田に恭順を示した遠江の国人たちも、再び寝返る手土産を求めて、武田へと追撃を放つ事は目に見えていた。
    显示出对武田的顺从的远江国人,也明显有再次投降并向武田进行追击的迹象。
    名誉のためだけならば屈辱に耐え、捲土重来の時を待つ事も出来た。しかし全軍を動員して戦果の無い撤退は、織田・徳川連合軍との継戦よりも損害が大きいと判断された。
    为了荣誉,可以忍受屈辱,并等待东山再起的时刻。然而,动员全军进行没有战果的撤退被认为比与织田·德川联军继续战争造成的损失更大。
    「第三陣を向かわせよ。奴らをこれ以上、調子づかせるな」
    "派遣第三阵前往。不要再让他们得逞了。"
    継戦を決定した信玄は、本陣を除く全軍へと攻撃指示を下す。その号令に全軍が活気づいた。小山田信茂、山県昌景、馬場信春の軍は壊滅したが、武田は勇猛な武将に事欠かない。
    信玄决定继续战斗,向除本阵外全军下达了攻击指令。全军响应号令,士气高昂。虽然小山田信茂、山县昌景和马场信春的军队遭到溃败,但武田家没有缺少勇猛的武将。
    内藤昌豊、真田信綱・昌幸兄弟に諏訪勝頼、武田信豊、米倉丹後守が加われば、勢いづく織田・徳川連合軍を押し返す事も容易いと思えた。
    如果内藤昌丰、真田信纲和昌幸兄弟加入了諏訪胜赖、武田信丰和米仓丹后守,似乎很容易击退势头蓬勃的织田·德川联合军。
    しかし信玄はここで致命的な失敗を犯す。彼は織田・徳川連合軍は全軍を以て赤備えや馬場軍に当たり、辛くも両名を討ち取ったと考えた。
    然而信玄在这里犯了致命的错误。他认为织田·德川联军全军对付赤备和马场军,勉强杀死了两人。
    信玄の判断を狂わせたのは情報不足であった。戦場は混迷を極め、敗因はともかく有力武将討ち死にの報が何よりも大事と優先され、新式銃や炸裂筒の脅威は未だ信玄まで届いていなかった。
    信玄的判断被情报不足所干扰。战场一片混乱,胜败原因无从得知,最重要的是报告有力武将的牺牲,新式枪械和炸弹的威胁还没有传到信玄这里。
    そして信玄が己の失策を理解したときには、全てが遅きに失していた。伝令より急報が告げられる。
    当信玄意识到自己的错误时,一切已经为时已晚。紧急报告来自信使。
    「ご注進!! 増援が……織田の増援が現れました! その数、およそ8000!」
    “急报!!增援……织田的增援部队出现了! 大约8000人!”
    「何だと!」
    "什么!"
    最悪のタイミングで現れた増援に、流石の信玄も声を荒げた。信長は防備をギリギリまで削って後詰めを送り出したはず、更なる増援など逆さに振っても出てこない。
    在最糟糕的时机出现的增援,连信玄也发出了强烈的声音。信长已经削减了防御,派出了后援,更多的援军也不会出现了。
    尾張を捨てて救援に駆け付けたとも考えたが、それをすればこの場で勝利を収めようとも織田・徳川は共倒れとなる。
    虽然也认为是抛弃尾张而赶来救援,但这样一来,即使在这里取得胜利,织田和德川也会同归于尽。
    どこから8000もの戦力を捻り出したのか。信玄の目を以てしても、その糸口すら掴めずにいた。
    从哪里搞来了8000个战斗力,甚至连信玄都无法抓住线索。
    「お屋形様! 援軍が掲げる軍旗に柴田に明智、丹羽と名だたる武将の旗印がございます! このままでは第二陣が保もちませぬ!!」
    「主公!援军所举的军旗上印有柴田、明智、丹羽等武将的旗帜!若不赶快行动,第二阵可能会无法保住!!」
    「ご注進!! 更に佐々に前田、羽柴、森の旗が確認されました!」
    "报!!发现了前田、羽柴、森的旗帜!"
    「お屋形様! 織田の猛攻を受け、内藤様の軍は壊滅! 内藤様は討ち死にの模様!」
    "主公!受到了織田军的猛攻,内藤军队溃败了!内藤大人似乎已经战死了!"
    「真田様の軍も破れました! 真田左衛門尉様討ち死に! 武藤喜兵衛(真田昌幸)様のお姿を見た者おらず!  おそらく討ち死にされたかと!」
    「真田大人的军队也被打败了!真田左卫门尉大人阵亡了!没人看到过武藤喜兵卫(真田昌幸)大人的身影!很可能他也已经阵亡了!」
    「一線を退いていた森三左衛門が現れました!! 怒涛の進撃を続け、兵たちが浮足立っております!!」
    森三左卫门退居二线,现在又出现了! ! 兵士们在他的猛攻下手忙脚乱! !
    信玄の許へ矢継ぎ早に訃報が齎される。増援の出現と共に釣り合っていた天秤は大きく傾いた。ただ一つ言える事は、このまま手を拱こまねいていれば、武田は敗北する。
    噩耗接踵而来。随着增援的出现,平衡的天平大幅倾斜。唯一能说的是,这样袖手旁观的话,武田会败北。
    (何が、一体どうなっておる!)
    (到底发生了什么事!)
    信玄は不可解な増援について考えるのを止め、その場の対処へと注力する。この状況は揃って打ち始めた局面に、相手だけが多くの持ち駒を隠し持っていたようなものだ。
    信玄停止考虑无法理解的增援,集中精力应对眼前的情况。这种情况就像是在双方都展开攻势之后,对手却隐藏了更多的棋子一样。


    IP属地:天津2楼2023-04-08 01:37
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      しかし戦場にて相あい見まみえる前からいくさは始まっている。その絡繰りを見抜けなかった己の不明を恥じた。
      然而,战场上的战斗在相遇之前就已经开始了。他感到羞耻,因为没有看穿其中的阴谋。
      歴戦の強者たる信玄は、動揺を押し殺すと居住まいを正し、高坂昌信を呼ぶよう命じた。
      历经战斗的强者信玄压制动摇后住所正常,命令叫上高坂昌信。
      間をおかず高坂昌信が現れると、信玄は彼に近くに寄るよう招いた。不思議に思いながらも高坂昌信は信玄の間近に跪く。
      当高坂昌信出现时,信玄邀请他靠近自己。虽然他感到奇怪,但高坂昌信还是跪在信玄身边。
      信玄が何事かを囁いたところで、高坂昌信が驚きに目を見開いた。そのまま信玄の顔を凝視する高坂に、信玄は決然と頷いた。
      信玄低声说了什么后,高坂昌信惊讶地瞪大了眼睛。信玄果断点头,高坂一直凝视着他的脸。
      「お屋形様……心得ましてございまする!」
      “主公,我明白!”
      何かを逡巡するように高坂昌信は瞑目し、信玄を見つめ返すと深々と頭を下げてその場を去った。信玄はその後ろ姿を、感情を殺し無言で見送った。
      高坂昌信犹豫了一下,低着头看着信玄,然后深深地鞠了一躬,离开了那里。信玄没有说话,压抑着情感看着他离去的背影。
      刻は少し遡り、織田方は慶次と高虎。武田方は内藤昌豊に真田信綱・昌輝・昌幸兄弟とがぶつかり合っているころ、慶次は真田信綱と一騎打ちへと持ち込んでいた。
      时光倒流,織田派的织田义信和丰臣秀吉与武田派的内藤昌豊、真田信綱、昌輝、昌幸兄弟展开激烈战斗,慶次与真田信綱展开了一对一的决斗。
      「おりゃりゃりゃりゃあああ!!」
      "哦呀呀呀呀啊啊啊!!"
      軽妙な掛け声と共に、慶次は真田信綱の猛攻を全て捌いて見せた。
      伴随着轻快的呼声,景次轻松地避开了真田信綱的猛攻。
      戦場にあって尚、目を引く傾奇者の姿からは想像できない武威。信玄から将来を嘱望された猛将、真田信綱と互角に打ち合う慶次に真田軍は動揺を隠せなかった。
      即使在战场上,也察觉不出妖艳风流之人的凶猛气势。信玄对其寄予厚望的猛将真田信綱,也无法轻易取胜于与其旗鼓相当的慶次,真田军士心惶惶。
      「はっはー! お前さんの弟はちと物足りなかったが、あんたとなら面白い勝負が出来そうだ」
      "哈哈!你的弟弟有点不够,但和你的话,应该能来一场有趣的胜负。"
      弟とは昌幸ではなく、真田 昌輝まさてるの方だ。慶次に討ち取られた真田昌輝に代わり、今は兄の真田信綱が名工・青江貞次が鍛えた一メートルもの陣太刀で慶次と戦っていた。
      他的弟弟不是昌幸,而是真田昌辉。真田昌辉被景次击败后,现在他的兄弟真田信纲拿着一米长的青江贞次锻造的大太刀与慶次战斗。
      「化け物め……わしの打ち込みをこうも易々と捌くとは」
      「怪物啊……你居然如此轻松地化解了我的攻击」
      「易々とではないのだがな。お前さんの攻撃は、受け損ねることが許されないから必死になってるんだよ」
      “不是那么容易的事。为了不被你攻击到,我可是拼了命的”
      ハルバードを構えながら慶次は真田信綱を称えた。これほどの強敵に出会えた幸運、それに己の力が伍するという現実。慶次の心が躍らない訳がなかった。
      手持戟斗志昂扬,景次颂扬了真田信綱。幸运能遇到如此强大的敌人,再加上自身实力不俗,这是现实。景次内心当然会感到兴奋。
      「死線を潜ることを楽しむか。理解できぬな」
      是享受从死亡线上钻出来的乐趣吗?不能理解啊
      「死を前にしてこそ生が実感できる。だから良いんじゃないか!」
      只有在面临死亡时才能真正体会到活着的感觉。所以这不是很好吗!
      信綱には理解し得ないことだが、慶次はこの一騎打ちを心底楽しんでいた。刹那の間に交わされる命のやり取りほど面白きことは無し、と言わんばかりの笑みに、真田信綱は苦笑を浮かべた。
      虽然信纲无法理解,但景次从心底里喜欢这场单挑。在命运转瞬即逝的交换中,没有比此更有趣的事情了,真田信纲不禁苦笑起来。
      「傾奇者か……武士たるわしには分からぬわ」
      "倾奇者啊……身为武士的我不懂"
      「簡単さ。理解なんてしなくていい、あんたの全てをぶつけてくれりゃ良い」
      “简单。不需要理解,把你的一切都使出来就好了。”
      会話の終わりとともに甲高い音が響く。ひゅうっという刃鳴りの音を響かせて、ハルバードと陣太刀がぶつかり合う撃刃の音だ。幾度こだましたか誰にもわからない。
      随着对话的结束,发出了尖锐的声音。随着呼呼作响的刀刃声,戟和阵太刀相互碰撞的攻击声响起。没有人知道它响了多少次。
      一つ言えるのは、この音が絶えた時が決着の時だという事だ。
      这话的意思是,当这个声音停止的时候,就是决胜时刻。
      「分からんな。それだけの武勇があれば、どこへでも仕官出来たはず。武田にくれば、剛勇たる武士として名を馳せられたものを」
      “不懂。如果有这样的勇武,可以去任何地方当官。如果加入武田家,就能成为骁勇善战的武士名扬天下。”
      「俺は生来のへそ曲がりなんでね。俺は自由に生き、己が定めた死地で生を終えたいのさ。堅苦しい近習なんてまっぴらご免だ」
      “我天生就是个倔强的人。我想自由地生活,到我决定的死地结束生命。死板的贴身侍从什么的,我可免了。”
      「近衛の娘に仕えていながら、近習は嫌だというのか。全く矛盾しておる」
      「侍奉近卫的女儿,却嫌弃当近侍。真是矛盾啊。」
      打ち合いの合間に互いに声を掛け合う。およそ常人には成し得ぬ芸当だった。難なくこなす慶次も驚嘆に値するが、それに苦も無く付き合える真田信綱も恐ろしい武士だ。
      在交手间互相呼喊是一个常人无法做到的技巧。能够毫不费力地执行的景次让人惊叹,而与其无障碍相处的真田信纲也是一名可怕的武士。
      「ははっ! 確かに外から見れば近習か。今の主は俺を縛ろうとはしない。無論最低限の働きは必要だが、そこさえ通せば俺の流儀を重んじてくれる。勇ましさは一切ないが、どうにも人を惹きつけて放さない。俺と相性が良かったんだろうな」
      “哈哈!确实从外面看可能像是近侍。现在的主人不会束缚我。当然最低限度的工作是必需的,但只要那点履行了,她会尊重我的方式。虽然没什么勇气,但却能够吸引并留住人。我想我们是很相得益彰的吧。”
      「はっ、ぬかしおる! 配下を縛らぬ主に、縛られずとも離れぬ配下。双方が矛盾しておるのだから相性は良かろう」
      「呃,别想逃!对于不束缚下属的主人和不被束缚也不离开的部下,双方都存在矛盾,所以相性很好吗」
      刃を交えた衝撃で、双方とも大きく身を離した。間合いは開いたが、一歩踏み込めば互いの斬撃の間合いとなる、緊張感を孕んだ立ち位置だった。
      在交错的刃锋撞击下,双方都向后弹飞了。距离拉开了,但只需迈出一步,双方就能再度交错刀锋。双方紧张地站着,等待着下一次的攻击。
      次の一合が勝負を決める。二人の間に漂う空気から、周囲の者は否応なくそれを理解した。
      下一个一合将决定胜负。从两个人之间弥漫的空气中,周围的人不由自主地理解了这一点。
      死合の中でも笑みを浮かべ続けた慶次も、静子ですら目にしたことのない真剣な表情となっていた。
      在这冷酷的死亡之中,即使是一直露出微笑的景次也变得认真起来,表情让静子也感到陌生。
      不意に突風が吹いた。それは地面に横たわっていた、元が旗だったであろう布切れを宙に舞わせ、二人の間でその身を翻して踊らせた。
      突然卷起了一股狂风。它把一块原本可能是旗帜的布碎片从地上卷起,在二人中间旋转翻腾。
      翻った布で互いが隠れた瞬間、二人は動いた。双方が一挙動で間合いを詰め、手にした得物を相手目がけて振り下ろした。
      翻转的布掩盖了彼此,两人同时迈步靠近,手中的武器瞬间挥动,直取对方。
      慶次のハルバードと、真田信綱の陣太刀は、しかし交差せずに振り切られた。双方とも斬撃の勢いのままに地面を穿ち、その姿勢のまま静止した。
      慶次的戟和真田信綱的阵太刀相互擦肩而过,都以砍击的势头刺穿地面,姿势冻结。


      IP属地:天津3楼2023-04-08 01:40
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        静寂が場を支配し、誰一人として物音を立てなかった。やがて慶次が膝を屈し、少し間を置いて真田信綱が地面に倒れ伏した。
        寂静笼罩了场所,没有人发出声音。不久后,景次屈膝,稍事休息后,真田信纲倒在了地上。
        「わしの……生涯最高を超えるか」
        "我能超越我的一生中最高的时刻吗?"
        地に刺した刀を杖に、真田信綱が身を起こす。彼は左肩から右腰辺りまでを袈裟掛けに斬られていた。
        将刺在地上的刀当作拐杖,真田信繁起身。他的左肩到右腰之间被削成了袈裟。
        対する慶次も、身に纏った鎧が砕け、右肩から鎖骨にかけて一直線に刃傷が走り、僅かに出血していた。
        对应景次身上穿着的盔甲也被碎掉了,右肩一路到锁骨处有一刀伤口,微微出血。
        「くくっ、たまらんよな。そんな芸当……されては、武士の面目丸つぶれじゃ」
        “呵呵,真是让人难以忍受啊。这样的把戏……若是被使用了,会让武士的面子全都丢尽了。”
        踏み込みと斬撃は真田信綱の方が上だった。慶次は真田信綱より一拍置いて動いた。
        踏入和斩击方面真田信纲更胜一筹。慶次动作比真田信纲稍微慢了一拍。
        真田信綱は回避を捨て、渾身の一撃を見舞った。対して慶次は迫る斬撃を回避し様に、逆撃を放った。
        真田信纲舍弃了回避,施展了全力一击。相对的,慶次闪避了迫来的斩击,并进行了反击。
        慶次でも滅多に出来る事ではない。
        庆次也不能经常做这件事。
        慶次の常軌を逸した反応速度、重いハルバードを小枝のように扱う驚異的な膂力、全力の踏み込みでありながら身を躱せる瞬発力、生と死の狭間という極限状態での集中力が揃って初めて為せる一撃であった。
        庆次的反应速度超出常轨,能够轻松地操纵沉重的哈尔伯德,拥有惊人的肌肉力量,能够在全力踏实的同时躲避攻击,并且只有在极限状态下集中力才能完成致命一击。
        わが身に刻んだ傷痕から、その事を理解した真田信綱は、満ち足りた笑みを浮かべた。
        从他身上刻下的伤痕,真田信纲理解了那件事情,脸上浮现出了满足的笑容。
        「一つ聞きたい。あんた、これが負け戦だと判っていただろう? 何で逃げようとしなかった」
        “我有一个问题想问。你知道这是一场必输之战吗?为什么不试图逃脱?”
        口中に溜まった血を吐き捨て、真田信綱は答えた。
        口中积聚的血液喷出,真田信綱回答道。
        「……このいくさで思い知った。これからは鉄砲の時代となる。弓や刀、槍しか能のない武士は、いずれ時流に押し流される。己が生涯を懸けて磨き上げた技量が、無用の長物となる。わしにはそれが我慢ならなかった!! ゆえにこの身を賭して抗ったのだ!」
        "我在这场战斗中领悟到了这一点:火枪时代即将到来。只会使用弓箭、刀剑和长枪等武器的武士终将被时代淘汰。为了不让自己毕生所学变成无用之物,我不得不拼尽全力与时代抗争!"
        真田信綱はこの一戦で、いくさの在り様が変わり、鉄砲の数が勝敗を決する事を察した。それは個人の武勇が必要とされない、武士の時代の終焉であると理解した。
        真田信纲在这一战中认识到战斗方式的改变和铁炮的重要性。他意识到这标志着武士时代个人武勇不再是必须的结束。
        理解はしたが、真田信綱は納得できなかった。変化を受け入れられない己の未来を想った時、彼は三方ヶ原台地ここが己の死に場所だと悟った。
        理解了,但真田信綱无法接受。当他思考自己无法接受变化的未来时,他意识到三方原台地是他的死地。
        「鉄砲で死ぬなど我慢ならぬ! わしは武士ぞ! 最期はいくさ場で、わしが認めた男との戦いの末に果てたい!」
        “被枪打死是不能忍受的!我是武士!最后我想在战场上和我认可的男人战斗而死!”
        真田信綱は激しく咳込み、口の端から血を溢す。近習たちが近寄ろうとするが、彼はそれを手で制した。もう己が助からない事は、彼自身が一番理解していた。
        真田信纲剧烈咳嗽,嘴角流血。随从们试图靠近,但他用手阻止了他们。他自己最明白自己已经无法挽救了。
        「生き方、死に方に拘る貴様なら分かろう。わしは己の本懐を果たした」
        “如果你坚持活着的方式和死去的方式,你就会明白。我已经实现了自己的心愿。”
        慶次は不敵な笑みを浮かべると、ハルバードをきつく握りしめた。
        庆次露出了一丝不屈的笑容,紧握着戟杆。
        「先に行ってな。何、すぐ会えるさ。そしたら酒でも酌み交わそう」
        “你先走吧,没事,很快就能见面。然后我们一起喝一杯。”
        「応! 貴様の生き様、あの世で眺めて待つとしよう」
        “好!你的生存方式,就让我在另一个世界看着吧。”
        それが真田信綱の最期の言葉となった。慶次はハルバードで真田信綱の首を落とした。真田信綱の死に顔は穏やかで、この世に後悔なしと語りかけるような涼しげな表情だった。
        那成为真田信綱最后的话。慶次用戟斧砍下了真田信綱的头,真田信綱临终前的表情很平静,好像在向世人宣告他没有遗憾。
        真田信綱の首に手を合わせると、慶次はポツリと呟いた。
        当慶次向真田信綱凝视并合上手时,他低声自语道。
        「真田左衛門尉、真の武士なり」
        「真田左卫门尉,真正的武士啊。」
        真田昌輝に続き真田信綱まで討ち取られた事に、真田軍の士気は瓦解した。膝から崩れ落ち、武器を捨てて亡き主人を偲んだ。
        随着真田昌辉被击败,甚至真田信纲也被打败了,真田军士气崩溃了。他们跪倒在地,放下武器,缅怀故主。
        「宜しいか」
        "宜しいか" in Simplified Chinese can be translated to "可以吗?"
        そんな兵をかき分け、馬に跨がった一人の武将が前に出る。
        那样的士兵被分开了,一位武将骑在马上走到前面。
        「やるかい?」
        "干吗?"
        雰囲気から武士と分かった慶次は、ハルバードを軽く持ち上げて問う。だが武将は首を横に振ると、腰に佩いた刀を地面に投げ捨てた。
        从氛围中感觉到这是位武士的慶次,轻轻提起戟问道。但武将摇了摇头,将佩在腰间的刀扔到了地上。
        「我が命で兄上二人の首、そして兵の助命を乞う」
        "以我的生命求兄长们两人的首级,以及士兵的救命"
        「……あんた、名は?」
        "你的名字是什么?"
        「武藤喜兵衛。武藤家へ養子に出た身だが、そなたに討ち取られた真田左衛門尉の弟なり」
        「武藤喜兵衛。我是被收为武藤家养子的人,但我是被你击败的真田左卫门尉的弟弟。」
        語りながら武藤喜兵衛、後の真田昌幸は甲冑を脱いだ。籠手と臑当すねあてのみになると、再度慶次の顔を見やる。返答はいかに、と彼の目が問いかけていた。
        边讲故事,武藤喜兵卸下了盔甲,只留下手套和肘部护具,然后再次看向慶次的脸。他的眼睛询问着慶次将如何回答。
        「分かった。あんたの提案、受け入れよう」
        "明白了。我接受你的提议。"


        IP属地:天津4楼2023-04-08 01:42
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          少し考えて慶次は頷いた。元より慶次は真田の首を必要としていなかった。今以上の地位など足枷にしかならない。大将首など無くとも十分な報酬を得ている。
          稍加思考后,景次点了点头。他从一开始就并不需要真田的首级。更高的地位只会成为他的负担,即使没有大将的首级,他也已经得到了足够的报酬。
          だが、この場でそれを口にすれば、一命を賭して兵の助命を乞うた武藤喜兵衛に恥をかかせることになる。
          但是,如果在这种场合下说出来,就会让赌上性命乞求饶恕士兵的武藤喜兵卫丢脸。
          静子の許へと連れ帰り、適当な時に開放すればそれで良いと考えた。
          把他带回静子身边,在适当的时候把他放了就行了。
          「感謝いたす。皆の者、良く聞け。もはやこのいくさは終わりじゃ。兄上たちをどうか弔ってくれ。よろしく頼むぞ」
          "谢谢你。大家听好了。这场战争已经结束了。请吊唁一下兄长们。拜托了。"
          「は、ははっ!」
          “是,是!”
          真田の兵たちは滂沱と流れる涙をそのままに、力強く応じた。手早く真田昌輝と真田信綱の首を陣羽織で包むと、敗軍の兵とは思えぬ統率を見せて去って行った。
          真田的士兵们泪如雨下,用力地回应。他们麻利地用阵羽织裹住真田昌辉和真田信纲的首级,率领着不像败军的士兵离去了。
          兵たちの動きに満足げに頷いた武藤喜兵衛は、死を覚悟した者特有の澄んだ目で撤退を見送った。
          武藤喜兵衛满意地点头看着士兵们撤退,用那种意味深长,准备面对死亡的眼神看着他们离开。
          やがて真田家の兵が全て立ち去り、訪れた空隙に慶次が武藤喜兵衛に声をかけた。
          不久之后,真田家的军队全都离开了,慶次在空闲时刻与武藤喜兵衛交谈。
          「さて、その首を……と言うところだが、その前にあんた、うちの大将にあってみないか?」
          “好的,我正想问你……在这之前,你想不想见见我们的大将?”
          「何だと?」
          "什么?"
          慶次の奇妙な提案に武藤喜兵衛は首を傾げる。だが慶次は気にせず言葉を続ける。
          对于庆次的奇妙提议,武藤喜兵卫感到不解。但是庆次毫不在意,继续说下去。
          「あんたを殺すよりも、うちの大将と引き合わせた方が面白いと、俺の勘が囁くのさ」
          “比起杀了你,我感觉介绍你见我们的老大会更有趣,这是我的直觉在告诉我。”
          「それに何の意味がある。わしの首を取り、武功の証として突きだせば良かろう」
          “那有什么意义呢,你们可以砍下我的头,作为你们功勋的证明。”
          「まーまー、暫く俺の戯れ言に付き合ってくれ」
          “嘿嘿,暂且当陪我玩一会儿好了。”
          「分かった。元よりわが命はお主に預けておる。お主の余興に付き合おう」
          “明白了。我的命早已交给了您。就当是您的余兴。”
          「そうこなくっちゃ。さて、そうと決まれば早速行くぞ」
          "那当然啦。好的,既然决定了,我们立刻出发吧。"
          「待て。今からか? お主の前には戦場があり、武功を立てる機会がそこら中にあるのだぞ? それをふいにしてまですべきことなのか?」
          "等等。现在吗?在你面前是战场,到处都有立功的机会。难道要把这些抛在脑后吗?"
          敗走している武田軍ならば容易く武功を立てられよう。特に勇名を響かせた武将や智将を討ち取れば、恩賞は思うがままだ。
          如果打败正在溃退的武田军,很容易赢得战功。特别是如果能击败声名显赫的武将或智将,奖赏就可以随心所欲。
          その機会を捨てて、武藤喜兵衛を静子に引き合わせようとする意味が分からなかった。
          不理解放弃那个机会,来牵线搭桥让武藤喜兵衛和静子见面的意义。
          「このいくさ、最初はどう転ぶか分からなかった。だからこそ面白い。が、今はあんたの言う通り、勝機はこちらにある。追撃は他の連中に任せれば良い。俺は恩賞欲しさに首級を掻き集めるような浅ましい真似をしたくない。俺は俺のやりたい事をする」
          “这场战斗最初不知道会怎么样,所以才有趣。但现在,如你所说,胜机在此。追击可以交给其他人。我不想为了奖赏而去做像采集敌首之类卑鄙的事情。我要去做我想做的事。”
          「この……へそ曲がりが」
          "这个...乖僻的人"
          「よく言われるよ。さて兵たちよ、俺は本陣に戻る。お前たちは好きにすれば良いさ」
          “经常有人这么说。士兵们,我要回到大本营了。你们自己想怎么做就怎么做吧。”
          問われた慶次の兵たちは、苦笑して肩をすくめる。
          被问到的慶次的士兵们苦笑着耸了耸肩。
          「大将たいしょう、置いてけぼりは酷いですよ」
          「大将,抛弃别人是很过分的」
          「そうそう、大将が戻るってなら付いていきますよ」
          "是啊是啊,如果大将回去,我会跟着回去的。"
          「何より、大将について戻れば、これ以上いくさに参加しなくて良い理由になるしな!」
          "最主要的是,如果我们跟随大将回去,就有理由不再参与战斗了!"
          「おいおい、玄朗爺に知れたらどやされるぞ」
          “哎呀,要是被玄朗爷知道了可就惨了。”
          兵たちはどっと笑った。誰一人として武田軍へ追いすがり、手柄を立てようとしなかった。慶次はなんとも言えぬ表情をした後、一つ太い笑みを浮かべると兵を見回して声を張った。
          士兵们一下子笑了起来。没有一人追着武田军队去争功。慶次脸上露出一种难以形容的表情,然后带着灿烂的笑容环视了一下士兵,高声说道。
          「よぅし、俺に劣らず馬鹿どもよ。静っちの許へ戻るぞー!」
          "好了,你们这些蠢货,不要输给我。我们回到静子那里去!"
          「おー!」
          "哦!"
          慶次の声に兵たちが武器を掲げて応える。
          庆次的声音让士兵们高举武器回应。
          こうして、慶次隊は他の軍が勝ちいくさに気炎を上げるなか、堂々と本陣へ戻るという常人には理解しがたい行動をとった。
          就这样,当其他军队激烈地争取胜利时,景次队却采取了一种对普通人难以理解的行动,堂堂回到了总部。
          無論、慶次の行動に後の歴史家が揃って頭を悩ませたのは語るまでもない。
          不管怎样,后来的历史学家们都为慶次的行动而苦恼不已,这是不言而喻的。
          双眼鏡で武田軍の動きを監視していると、静子は奇妙な違和感を抱いた。第三陣に布陣していた諏訪勝頼の軍が下がり、代わりに本陣から別の軍が前に出ようとしていた。
          使用望远镜监视武田军动向的静子感到了奇怪的不适感。布阵在第三阵地的諏訪胜赖军队撤退了,另一支军队从本阵地出发向前推进。
          この場で勝頼を下げる狙いは何かと悩む静子だが、すぐさま理由に思い至った。信玄は敗北を受け入れ、最後の一撃を繰り出そうと覚悟を決めたのだ。
          静子在这个地方打算击败信玄,为此她苦苦思索了很久,但很快就有了理由。信玄已经接受了失败,决心发动最后一击。
          「鉄砲衆は前へ! 武田が最後の攻勢に出るぞ!」
          "枪炮手们,向前冲!武田家要发动最后的攻势了!"
          「ははっ!」
          「哈哈!」
          陣太鼓が打ち鳴らされ、鉄砲衆が突出する。静子は爆竹が括り付けられた矢を番えると、それを天に向かって放った。
          旗帜鼓声响起,枪手们迅速前冲。静子拿着一个绑有鞭炮的箭,放向天空。
          空中で幾つもの爆竹が破裂する。太鼓と爆竹の合図を聞いた織田軍が後退する。熱が入って下がらない部隊もいたが、静子軍が介入して無理矢理後退させた。
          空中响起了一连串的爆竹声。听到鼓和爆竹的信号后,織田军开始后退。虽然有些部队异常热情,但是静子军介入并强制他们后退。
          そうして織田軍は所定の位置・・・・・まで移動した・・・・・・。織田軍の猛攻に晒されていた武田軍は、突如として緩んだ圧力に訝しんだ。
          这样,织田军移动到了预定位置... 武田军遭受了织田军的猛烈攻势,突然松懈的压力使他们感到惊讶。
          戦場に訪れた束の間の休息に、武田軍は反撃をするのではなく、自軍の陣形を立て直す方を優先した。
          在战场上短暂的休息时间里,武田军优先重新组织自己的阵形,而不是进行反击。
          織田軍が下がりながらも左右へと広がっていく様は、まるで武田軍を飲み込まんとするかのようだった。
          織田军虽然在后退,但左右扩张的样子,就像是要吞噬武田军一样。
          その動きを上空から俯瞰するものが居れば、織田軍が鶴翼の陣形へと切り替えていることが判る。
          如果有人从空中俯瞰这动静,就能知道織田军已经转换成鹤翼阵形了。
          しかし神ならぬ武田軍は、今こそが好機と戦力を温存することを優先し、織田軍の行動について確認を怠った。
          然而,不如神的武田军现在优先考虑保护自身实力,确认织田军的行动却怠慢了良机。
          それこそが武田軍最後の一撃を鈍らせ、決定的な敗北へと導く道しるべとなった。
          这正是使得武田军最后的一击失去锐利,并引向决定性失败的指示牌。
          「鉄砲衆に弾種切り替えを伝達! 弾丸は弐式カ弾と弐式サ弾! 弾頭の色で区別して、間違わないよう徹底して!」
          "向枪兵传达弹种切换指令!弹药是二式カ弹和二式サ弹!要根据弹头颜色进行区分,务必做到不出错!"
          「了解! ご指示を伝達いたします!」
          了解!我会传达您的指示!
          伝令が静子の命令を復唱した後、すぐさま馬を操って最前線へ向かう。再び双眼鏡で武田軍を確認すると、静子の予想通り周囲の軍が集結していた。
          传令响应静子的命令后,立即驾驭马匹前往最前线。再次使用双筒望远镜确认武田军时,静子的预期得到了确认,周围的军队正在集结。
          武田軍が敗走し下がったところを深追いした織田・徳川連合軍の陣が縦に伸びたところで、手痛いカウンター攻撃を仕掛けて反撃するという武田の目論見だったが、織田・徳川連合軍が後方へと退いたため肩透かしを食った形となった。
          武田军计划在織田・德川联军突击他们后纵向展开阵势,实施手痛的反攻,但由于織田・德川联军向后退却,武田军的计划落了空。
          しかし作戦を変更する様子はなく、ほどなくして武田軍の先駈けが動いた。それに続く形で後続も次々に突撃してくる。
          然而并没有改变作战计划的迹象,不久武田军先锋就开始行动了。随即,后续部队也接连发起冲锋。


          IP属地:天津5楼2023-04-08 01:44
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            “大人,弹种切换已完成。”
            “辛苦了。接下来等他们到达埋伏点。高见,武田的先头部队越过记号的话……通知我。”
            "「是!」"
            为了确认敌人的动向,他们架起了一架用粗木做成的梯子。周围的人们一起支撑着梯子,然后有人爬到梯子的最顶端,负责站在那里使用望远镜确认敌人现在的情况,这个人被称为侦察哨。
            视力当然很重要,需要高度平衡感和无畏的胆量,才能在不确定的脚手架上进行准确观察。由于战争状况取决于高处的报告,因此这项任务承担着非常重要的角色。
            「大人!他们已经越过了目标点!」
            "发出信号!用二式弹进行集中射击,阻止领先者势头!"
            当太鼓敲响信号时,左右两侧听到了一千次枪声,共计五百声。在埋伏点中的武田先锋,则手持木盾被击穿,接着一个接着一个倒在地上。
            「开始!如果没有盾牌持有者,就使用二式サ弹进行面部压制。不要担心精准度!」
            "是!"
            铁炮手们接连不断地开火。每次发射,武田军士兵们就会像滑稽剧一样倒下。新式枪比传统的火绳枪具有更好的直线射击性能,因此不需要站在一起射击。
            各人填装完毕后,由于每个人的射击间隔不同,出现了间隔不一的情况。
            通常情况下,进行集中射击可以提高压制力和效果,但现在最首要的是挫败武田的力量,因此随时射击不间断地飞弹更为方便。
            "它是用二式サ弹来补充下降的密度。"
            “贰式弹”是一种现代分类为双重装填弹的弹曜。简单说,它是在弹壳中双层垂直装填的一种弹曜。”
            发射两个弹头需要增加火曜,导致弹曜重量增加,因此数量无法提供。但值得注意的是它具有压倒性的穿透力。
            激发的火曜首先传递能量到后面的弹头上,将前面的弹头推出,然后后面的弹头也飞出,前面的弹头就会穿过的孔洞里,后面的弹头就会进入并进一步深入挖掘这个孔洞。
            专门针对无法击穿木制盾牌等物体的穿透弹种。这就是二式穿弹,其中的“穿”是指穿透弹的“穿”。
            然而,尽管穿透力增强,但由于打击力集中于一点,因此控制范围不可避免地较差。
            为了弥补这一点,开发出了二式三分之一的弹曜。这是一种弹头略微倾斜的子弹,位于前端双重装载子弹的后面,可以在一次射击中攻击两个地方。
            只有前面的弹头直线前进,而后面的弹头会偏离瞄准点在上下左右稍稍偏离的地方着陆。当然,随着到达距离的增加,第二枚炮弹的偏差会变大。
            由此,尽管躲避在射线上,但武田军仍然接连不断地受到子弹攻击。顺便提一下,"二式散弾"中的 "散" 意为 "散弹"。
            这些双层填充弹是在越南--时期开发的, 但在现代战斗中, 冲锋枪成为常态, 这种弹曜增加了重量, 没有办法取得足够的战果。
            然而,如果是单发式的枪,评价就会改变。一次射击即可发射两发子弹,根据穿透力和攻击范围的不同,可以很好地应对。这是一个巨大的优点。
            随后,超出枪声的弹丸飞溅,极具压制性,武田的势头明显减弱。


            IP属地:天津6楼2023-04-08 02:24
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              「殿! 武田の勢いが止まりました! 雑兵から後ろへ逃げ始めています!」
              "殿!武田的势头已经停止了!雜兵们已经开始向后逃跑了!"
              「殿! やりましたな!」
              "大人!做得好!"
              高見が興奮しながら報告を上げる。その報を耳にし、傍に控えていた玄朗も歓喜の声を上げる。
              高见兴奋地报告。玄朗听到消息,也兴高采烈地叫喊。
              だが静子は報告を聞いても表情を変えず、戦況の変化を観察し続けた。
              但是静子听完报告脸色没有改变,继续观察战况的变化。
              「まず勝利を得て、それからいくさをせよ。しかる後、勝って尚、兜の緒を締めよ」
              "先取得胜利,再进行战斗。然后,在胜利后更加努力,系紧头盔的带子。"
              「は? なんと仰いました?」
              "什么?你说什么了?"
              意味が分からず玄朗が首を傾げる。他の者も静子が何を言いたいのか分からず、困惑した表情を浮かべた。
              玄朗不明白意思,歪头表示困惑。其他人也不知道静子想说什么,面露困惑的表情。
              「いくさとは、相手に勝てる準備を整え、尚且つ勝機が来るまで待つ。二つが揃って初めていくさをし、勝利を己が手中に収めるのです。しかし勝利の美酒は、勝者に増長を齎す毒でもあります。ゆえに勝利しても油断せず、次のいくさへと備えるために兜の緒を締め直して用心せよ、という格言です。まあ私なりの、いくさへの哲学でしょうか」
              战争是为了准备打败对手,等待获胜的机会。只有这两个条件都齐备,才能发动战争并获得胜利。但是,胜利的美酒也是会让胜者产生骄傲的毒曜。因此,即使获得胜利,也不能掉以轻心,必须紧绷入下一场战争的准备,提高警惕,这就是一种哲学。
              「な、なるほど。常に先を見通すご慧眼恐れ入ります。武田に勝利するという大金星にも気を緩めず、己を律しておられるお姿に頭が下がりまする。それよりも、そろそろどの様な作戦だったのか、我々にも分かるよう概要をお聞かせ願えませぬか?」
              “嗯,原来如此。你总是能看得很远,实在是令人敬畏。在赢得对武田的巨大胜利时也没有松懈,严格约束自己的姿态让人肃然起敬。不过,现在我们可以知道你们的作战大致是怎么样的了吗?”
              玄朗は褒め称えたが、静子は微妙な表情を浮かべるだけだった。機嫌を損ねたか、と焦った玄朗は、慌てながら話題を変える。
              玄朗称赞了,但静子只露出微妙的表情。玄朗着急起来,担心自己惹她不开心,于是急忙转换话题。
              配下の称賛を素直に喜べないでいる己の失態を悟った静子は、表情を引き締めてから玄朗の問いに答えた。
              静子意识到自己不能真诚地欣赏属下的赞美,收起了面容,然后回答了玄朗的问题。
              「細かい点は省いて一口で言うならば、相手を恐慌状態へと追い込み、組織立った統率を失わせて優位を得る。それが私が今回使った策の概要です。次々に想定外の状況へと追い込み、初見殺しで圧倒して状況を悪化させる。訳も分からず追い立てられ、刻一刻と悪化する状況に身を置けば、誰しも錯乱状態へと陥ります。恐怖や焦慮は伝播し、恐慌した兵は相乗的に増え続け、ある一点を越えると兵は統率から離れ、軍の指揮系統は崩壊します。そうなれば、後は数が多いだけの烏合の衆です」
              总之,这个策略的概要是使对手陷入恐慌状态,失去组织和控制,从而获得优势。接着将对手逐个推向预想之外的状况,初次面对时掌握优势,使局势恶化。如果被追赶到无法理解的状况并不断恶化,每个人都会陷入混乱的状态。恐惧和焦虑会传播,使受惊的士兵不断增加,当达到一定点数量的时候,士兵就会离开控制,军队的指挥系统就会崩溃。那时候,就只剩下数量众多而已的杂乱军队了。
              「は、はぁ……ですが中には察しの良い者や、肝の太い者もいるのでは? 兵が怖気づいただけで天下の武田軍が崩壊するものなのでしょうか?」
              “但是,里面不是也有观察敏锐的人和具有勇气的人吗?只是因为士兵害怕而导致天下武田军崩溃的吗?”
              いまいち状況を理解しかねる玄朗は首を傾げた。自分が思いついた疑問を次々と静子へ投げかける。
              玄朗不太理解现状,于是疑惑地歪了歪头。他一个接一个地向静子提出了自己想到的问题。
              「最初の問いへの答えですが、それは居ても問題ありません。命がやり取りされる戦場で、理性を保てる人間がどれほどいますか? 千人のうち、片手で足りる程度でしょう。彼らは総力戦を挑みました。三万もの大軍に、数十人程度智さとい者がいても、多くの兵が恐慌状態なら、その声はかき消されます。彼らは精鋭無比の大軍が強みでしたが、今回はそれが仇となりました」
              对于第一个问题的答案是,即使有一个逗号也没有问题。在生命悬亡的战场上,有多少人能保持理性呢?在1000人中,可能只有几个人。他们发起了总力战。即使有数十个聪明的人对抗3万大军,如果大多数士兵处于恐慌状态,他们的声音也会被淹没。他们拥有无与伦比的优秀大军,但这次却成为了他们的噩运。
              大軍というのは往々にして勝っている間は非常に強い。しかし今回は初見殺しを多用し、その強さを局所的な勝利で挫いて見せた。
              "大军往往在获胜时非常强大。但这次使用了初次见面的方法,通过局部胜利挫败了他们的力量。"
              指揮系統が瓦解すれば、兵の数が三万だろうが十万だろうが大差はない。むしろ狂騒する兵の絶対数が多くなり、指揮する者や智い者の声は兵に届かなくなる。
              指挥系统瓦解后,无论军队人数是三万还是十万,都没有太大区别。相反,混乱的士兵数量会增加,指挥者和智者的声音将无法传达给他们。
              「次の答えですが、一度のみの敗北ならば武田軍はすぐに立て直し、大勢を挽回するでしょう。第一陣の敗北も、織田軍が奇跡的に勝ったとして汚名返上を狙って奮起さえするかもしれません」
              “下一个答案是,如果只是一次失败,武田军很快就会重新振作,并且取得大量的胜利。第一军队的失败,甚至可能激励織田军尝试扭转失败局面,争取名誉的恢复。”
              静子は指揮刀代わりのクーゼを戦場へと差し向ける。既に勝敗は決しており、武田軍と呼べるような集団は、三方ヶ原台地のどこにも存在していなかった。
              静子将指挥刀代替库泽派往战场。胜负已经决定,像称之为武田军的集团已经不存在于三方原台地的任何地方。
              「しかし彼らは、立て続けに敗北を喫した。第二陣の敗北は織田軍の実力がまぐれではないと思わせ、武田兵の心に猜疑の種を植え付ける。間を置かずに第三陣までが敗北すれば、種は芽吹いて疑惑は敗北の恐怖という花を咲かせる。死の恐怖は兵を蝕み、体を萎縮させ、最後には必ず心が折れます」
              然而,他们连续遭受失败。第二次失败表明织田军队的实力不是偶然的,并在武田士兵中埋下了怀疑的种子。如果第三次战斗在不久后的失败,这些种子将发芽并开出怀疑的花,害怕失败。恐惧侵蚀着士兵的心灵,使他们畏缩不前,最终必定导致心灵崩溃。
              ほうほうの体で逃げる武田兵が、静子の目に入った。甲冑を脱ぎ捨て、腰に下げた刀を投げ捨て、後ろを振り返らず一目散に逃げる姿が。
              用放荡不羁的身体逃跑的武田军被静子看到了。他们脱掉盔甲,扔下腰间的刀,不回头地狂奔而去。
              武田兵の無様な姿を見ても、静子の心は凪いでいた。一つ間違えれば、あの姿を晒していたのは自分だったからだ。
              看到武田兵的无助样子,静子的心却平静如水。如果有一点差错,可能那个悲惨的景象就是她自己。


              IP属地:天津7楼2023-04-08 02:26
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                いつ自分に訪れるとも限らない、と思えば武田兵の姿を笑うことなど出来なかった。とっとといくさ場から引退して、農業をするだけの余生を送りたいとさえ思った。
                如果不认为自己的死亡是随时可能发生的,那就无法嘲笑武田军队的形象。我甚至想快点退出战场,度过余生只从事农业。
                「心が折れた状態で、なおも奮戦できる者は、それほど多くありません。多くは命を惜しみ、わが身可愛さに逃走を選びます。指揮系統が崩壊し、兵の心が死から逃れることに塗りつぶされたなら、たとえ信玄その人であっても流れを変えることなど出来ないでしょう」
                在心灰意冷的情况下,仍能奋战的人并不多。大多数人珍爱生命,为了自身的安全而选择逃避。如果指挥系统崩溃,士兵的内心被死亡所笼罩,即使是信玄他本人也无法改变形势。
                誰の目にも分かりやすく勝敗が決した場合、雑兵たちは保身に走る。それは当然の考えであった。よほどの事情がない限り、雑兵たちは武将のために殉死するという選択はしない。
                当局者一眼就能看出胜负的情况下,杂兵就会选择保全自己。这是很自然的想法。除非有特殊情况,否则杂兵不会选择为武将殉死。
                恐怖に駆られた雑兵は我先にと逃げ出し、それを目にした者たちも我も我もと逃げ始める。雑兵に続いて足軽たちすら逃げ始めれば、崩壊は決定的となる。
                恐慌的杂兵纷纷逃跑,看到这情景的人们也开始争先恐后地逃跑。如果连足轻们也纷纷逃走,就意味着彻底崩溃的到来。
                そうなればもはや軍とは呼べず、武将は否応なく敗北を受け入れる。
                到了那个地步,已不再称之为军队,武将们也不得不无奈地接受失败。
                「なるほど……あ! 殿! 徳川の軍旗が武田の後方に現れました!」
                "原来如此……啊!大人!德川军旗出现在武田军的后方!"
                武田軍の背後に、今まで姿を消していた徳川軍8000が突如として現れた。逃走中の元武田軍は動揺を隠せなかった。
                武田军的背后,突然出现了一直隐藏着的德川军8000人。逃走中的原武田军难以掩饰他们的动摇。
                唯一の退路である背後を塞がれたということが、彼らの中でギリギリ保っていた理性を崩壊させた。雑兵たちは少しでも敵兵の少ない方へと、散り散りになって逃げていく。それは武田一族の者とて例外ではなかった。
                唯一的退路已被堵住,这使得他们中的理智在极度维持之下崩溃了。士兵们纷纷逃向敌方兵力较少的地方。这对武田家族的成员来说也不例外。
                「予定より少し遅れていますが、さしたる問題はありません」
                「比计划略微延迟了一下,但并没有什么大问题」。
                これこそが一年かけて、静子が三方ヶ原台地の地形を調査した理由だ。
                这就是静子花了一年时间调查三方原高地地形的原因。
                徳川軍が『ある場所』から武田軍の背後に回り込む時間。その時に織田軍がどこに居れば包囲が完成するか、武田軍をどこにおびき寄せれば良いか、それを知る為の調査だった。
                为了了解德川军从“某个地方”绕到武田军背后的时间,以及在那时,織田军应该在哪里才能完成包围,需要将武田军引诱到哪里,进行调查。
                多くの費用を投じた割には地味な内容に思えるが、この包囲の有無が非常に重要な意味を持つ。そのため絶対に必要な調査であった。
                投入了很多费用,内容看起来很平淡,但包围的有无具有非常重要的意义。因此,这是必要的调查。
                織田軍が鶴翼の陣を敷き、武田軍が中央の一点突破を図る。そこで両翼の軍は用いず、中央だけで武田軍を受け止め、その勢いを挫く。武田軍の進撃が止まった時、唯一の退路である後方に徳川軍が蓋をする。
                織田军布置了鹤翼阵型,武田军试图突破中央一点。因此,双翼的军队不参与战斗,只有中央军队阻拦武田军,挫败他们的气势。当武田军进攻停止时,德川军在他们唯一的后退路上做出了封锁。
                上空から見れば織田軍の中央を頂点とした二等辺三角形の中に、武田軍が閉じ込められたことになる。どの方向を目指そうとも分厚い敵兵に阻まれ、もはや逃走も叶わない。
                从上空看,武田军被困在以織田军中央为顶点的等腰三角形中。无论朝哪个方向前进,都会被厚厚的敌军挡住,已经无法逃脱了。
                信玄ほどの人物が、己の置かれた状況を把握できていない訳がない。
                信玄这样的人物不可能没有意识到自己所处的处境。
                状況を察したからこそ武田軍は動きを止めた。どんな手を講じようとも、自分達が生き残る未来はないと理解していた。
                正因为意识到了形势的严峻,武田军才停止了行动。无论采取何种手段,他们都明白自己没有生存的未来。
                「雑兵や足軽だけではなく、武将たちも認めました、自分たちの敗北を」
                “不仅是杂兵和步兵,连武将们也承认了他们自己的失败。”
                武田軍は撃退されたのではなく、初めての完膚無き敗北を喫したのだと認識した。
                武田军意识到他们不是被击退,而是遭受了史上首次彻底的失败。
                武田自らが負けを認めたという事実は、反織田連合の諸氏へと激震を齎すだろう。武田の御旗に集っていた反織田連合の思惑は、根底から覆されたのだ。
                武田本人承认失败这一事实将给反织田联盟的成员带来巨大的冲击。曾经在武田旗下集结的反织田联盟的计划已经从根本上被推翻了。
                「これにて詰みです。これ以上戦っても武田に勝利はありません。無駄な犠牲を出さないためにも、投降するよう武田へと呼びかけなさい」
                “到此为止了。再战斗武田也不会胜利。为了不做出无谓的牺牲,请号召武田投降。”
                「ははっ!」
                "哈哈!"
                四拍子で陣太鼓が叩かれる。それは勝利が確定し、敵兵に投降を呼びかけろという符丁であった。囲まれながらも抵抗する武田軍に、織田・徳川連合軍が投降を呼びかける。
                四拍子鼓被敲响,它代表胜利已经确定,发出投降的信号给敌方士兵。被围攻的武田军抵抗,但织田和德川联军呼吁他们投降。
                一部は尚も抵抗しようとしたが、大部分は勧告に応じて武装解除した。強く抵抗していた集団も、新式銃の銃口を向けられ、足元に銃弾を叩き込まれると、何もかもを諦めた表情で投降した。
                一部分人抵抗了一下,但大部分人根据劝告解除了武装。即使是那些强烈抵抗的人,在新型枪支的威胁和脚下的子弹下,也只能带着放弃一切的表情投降了。
                「皆の者! 声を上げよ! 我らの勝利だ!!」
                "各位!高声欢呼!这是我们的胜利!!"
                静子が勝ち鬨を上げると、あちらこちらの兵が続く。武田軍は次々と武器を地面に落とし、たいした混乱も生まず、歴史に名高い三方ヶ原の戦いは終わりを告げた。
                靜子勝利歡呼之時,各地的士兵也相繼歡呼。武田軍接二連三地放下武器,沒有引起太大混亂,著名的三方原之戰就此結束。
                徳川軍の到着が若干遅れたため、おしくも諏訪勝頼と高坂昌信を取り逃がした。だが信玄の身柄を確保できたため、彼らの逃亡は些末事だと静子は断じた。
                由于德川军的到达略微延迟,恰好让諏訪胜頼和高坂昌信逃脱了。但是由于确保了信玄的人质,静子断言他们的逃亡只是小事。
                信玄捕縛の報を受け、静子は捕縛されたのは影武者の武田たけだ 信廉のぶかどでは、と少し疑った。
                接到信玄被捕的消息,静子有些怀疑被捕的是影武者武田信廉的部下。
                だが間者(鳶加藤)が入手した武田信玄の衣類と、捕縛した武田信玄の臭いが一致した事で、武田信玄本人であると断定した。
                然而,间谍(鸢加藤)获取的武田信玄的衣服和捕获的武田信玄的气味相符,因此得出结论他真的是武田信玄本人。


                IP属地:天津8楼2023-04-08 02:28
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                  程なくして影武者の信廉も捕縛した。甲陽軍鑑どおり信玄と非常に似ているため、区別をつけるため影武者の方には色布で腕を縛り、彼だけを信玄や近習とは違う場所へ移動させた。
                  迅速地捕获了影武者的信廉。由于他与甲阳军鉴上的信玄非常相似,为了区分,我们用彩布绑着他的手臂,把他单独从信玄和近臣们带到另一个地方。
                  実は静子には信玄を討つか、それとも捕縛するのか最後まで判断できずにいた。これは信長や家康の政治的な思惑が絡んだのが原因だ。
                  其实,由于涉及到信长和家康的政治考虑,静子无法最终决定是除掉信玄还是将其捕获。
                  信玄が攻め込んだのは、あくまで遠江であり、そこは信長ではなく家康の領土である。
                  信玄攻打的地方只是遠江,那里是家康的领土,而不是信长的。
                  信玄と家康との争いに織田軍が必要以上に活躍すれば、家康はよくとも徳川家家臣の間に不満が残る。
                  如果信玄和家康之间的争斗导致织田军队过分活跃,那么即使家康战胜了,德川家臣之间也会有不满。
                  ゆえに武田家家臣は織田軍が討ち取るが、信玄の首級は家康に一任するというのが、最も妥当な判断だった。家康がどちらを選ぶかは、策が伝えられるまで不明だった。
                  因此,武田家的家臣们被织田军杀死,而将信玄的首级交给家康是最合适的决定。在策略传达之前,家康会选择哪一个是不确定的。
                  そして家康が選んだ選択肢は捕縛だった。
                  然后家康选择的选项是捕获。
                  信玄を討ち取らずに捕縛した理由は、やはり政治的な思惑からだった。逃げる信玄を討ち取れば、本物の信玄は逃げおおせた可能性があると、世に思われる。
                  没有击败信玄,而是将其捕获的原因,仍然是出于政治上的考虑。如果击败逃跑的信玄,那么真正的信玄可能已经逃脱,这是人们所认为的。
                  そして武田軍壊滅のお膳立ては、織田軍が整えたため、家康は信長の添え物であると思われる可能性もあった。
                  而且,由于織田軍的策略,導致了武田軍的覆滅,因此德川家康也有可能被認為是信長的附庸。
                  それらの判断を潰すためにも、生きた信玄を捕縛し、自らに敗北を語らせる必要があった。
                  为了粉碎这些判断,需要捕获活着的信玄,并让他亲口承认失败。
                  そして捕縛までの一連の流れは、最初から最後まで織田と徳川双方で織りあげた策だったと強弁できる。
                  而且可以强辩说,到被捕为止的一系列流程,从头到尾都是织田和德川双方共同制定的策略。
                  誰が見ても家康は最後の最後まで兵を温存し、一番美味しいところだけを掻っ攫う形だが、そんな美味しい立場をみすみすくれてやる国人はいない。
                  谁都知道家康到最后都会保留兵力并只拿最好的部分,但是没有国人会傻到让他得到这样美味的立场。
                  美味しいところを取れるだけの貢献があったと世は判断する。勝者だけが歴史を紡ぐ権利を得る。幾ら武田側が違うと叫んでも、負け犬の遠吠えと断じられてしまうのだ。
                  只有能够取得美味部位的贡献,才会被视为有价值的。只有胜利者才有权利书写历史。无论武田方喊出多少不同的声音,都会被视为失败者的狗叫声。
                  ゆえに信玄だけはいくさで単純に討ち取る、という結論にはならない。その後の外交カード、国内での政治的な思惑など、様々な事が否応なしに絡んでくるのだ。
                  因此,不能得出仅仅通过战争就可以消灭信玄的结论。后来的外交手段,国内政治考虑等将会无可避免地受到影响。
                  もっともこれは信玄に限らず、信長や家康でも同様だが。
                  这不仅限于信玄,同样适用于信长和家康。
                  ともあれ信玄が捕縛された事で、武田に戦う力は殆どなくなった。諏訪勝頼が武田家の家督を継いでも、じわじわと包囲網を狭めて潰されるのが落ちだ。
                  无论如何,信玄被捕后,武田家的战斗力几乎消失殆尽。即使是諏訪胜赖接管了武田家的家督,也最终被逐渐收紧的包围网所消灭。
                  何より勝頼はこれからジレンマに陥る。武田の力を取り戻すには金子がいる。だが、今まで無茶な徴収をしたせいで、もはや甲斐に金子は殆ど無い。
                  胜赖今后将陷入两难境地。要恢复武田的力量就需要金子。但是,因为之前征收得太过分,甲斐已经没有钱了。
                  金子がなければ力は取り戻せない。だが、金子を今以上に無茶な方法で集めれば武田家は崩壊する。どうしようもない二律背反が、これから勝頼に襲いかかる。
                  没有金子就无法找回力量。但是,如果用比现在更无理的方法收集金子的话,武田家就会崩溃。不可救曜的二律背反正向胜赖袭来。
                  「ふぃ、終わった。全部綱渡りだったけど、何とかこちらの予想通りに進んだね」
                  「结束了。虽然一直像在走钢丝一样,但总算是按照我们预想的路线走了。」
                  疲れをはき出すかのように、静子は盛大に息を吐いて肩の力を抜く。傍目には順調に進んでいるように見えたが、実際は最初から最後まで綱渡りの作戦だった。
                  仿佛要将疲劳吐出来一般,静子长舒一口气,松开了肩膀的紧绷。虽然从旁观者的角度看,一切似乎都在顺利进行,但事实上,整个计划始终都是在悬崖峭壁上摇摆不定的。
                  まず武田が祝田の坂の入り口で陣取る事が絶対的な条件だった。これに失敗した場合、今の状況になっていたかはなはだ疑問である。
                  首先,武田在祝田坂的入口处驻扎是绝对的条件。如果失败了,现在的情况就成了一个极大的疑问。
                  何しろ徳川軍は一緒に出陣したふりをして、その実浜松城から三方ヶ原台地を大きく迂回して祝田の坂の出口に移動し、静子の合図を機に入り口へ突入していたからだ。
                  总之,德川军故意装作一起出征的样子,实际上绕道三方原台地,移动到祝田坂的出口,并在静子发出的信号下冲进了入口。
                  徳川軍の移動ルート、及び行軍時間までを静子たちは入念に調査していたが、徳川軍が祝田の坂の出口に到着する時刻と、織田軍が武田軍と相対する時刻は、ほぼ同時刻でなければ信玄に策を見破られる危険があった。
                  德川军的行动路线和行军时间静子们进行了细致的调查,但如果德川军到达祝田山坡的出口时和織田军与武田军对峙的时间几乎同时,就有被信玄识破计策的危险。
                  そのため、もしも祝田の坂の出口に武田軍が待ち構えていたら、のこのこ現れた徳川軍はあっという間に蹴散らされ、時間はかかるものの静子の策も見破られた可能性がある。
                  因此,如果武田军在祝田坂的出口设下伏击,出现的德川军队很快就会被击败,即使静子的计划需要更多的时间,也有可能被识破。
                  そうなれば静子の策は根底から覆された。念のため、静子は祝田の坂を荒らして、武田軍が進軍しにくくしておいた。
                  如果那样,静子的计划将从根本上被打破。为了以防万一,静子破坏了祝田坂,使武田军无法顺利前进。
                  だが、信玄がそれを無視して進軍する可能性があったため、祝田の坂の入り口で武田軍が陣取ったと報告を聞いたとき、静子は内心快哉を上げていた。
                  然而,当静子听到武田军队在祝田坂入口设阵,因为有可能信玄会忽略此事并继续前进,她内心非常高兴。
                  ただし、祝田の坂を荒らした事で、徳川軍の到着が若干遅れた、という失敗も引き起こした。
                  然而,由于祝田坡道被破坏,这也导致了德川军队到达的稍微延迟,造成了一些失败。
                  次に突如現れた織田軍の武将たちは、どこからどうやって移動させたか。
                  随后突然出现的织田军武将们是如何移动到这里的,他们来自何方。
                  それは単純明快な話で足満がいくさ前に物資をピストン輸送した時に、輸送の護衛兵として浜松城に入りこんでいた。
                  那是一个简单明了的故事,在足满去远征之前,他作为护送物资的士兵潜入了浜松城。
                  後は静子の軍にいる本来の物資輸送を護衛兵と入れ替えれば、多少人数が増減した程度で傍目には差が分からない。
                  只要将静子军队本来的物资运输与护卫兵互换,人数稍有增减,外人便无法察觉差别。
                  何よりピストン輸送して人の出入りが頻繁に行われていたのだ。入ってきた時と出て行く時の面子が違うなど、中々気付けるものではない。
                  尤其是活塞传送带,使人员的进出非常频繁。进出的面孔常常不同,很难察觉。
                  こうして密かに浜松城へ織田軍の精鋭たちが布陣する事となった。
                  于是,织田军精锐们秘密地布阵在浜松城。
                  勿論、彼らは急遽呼ばれたのではなく、静子が兵を融通して貰うよう前々から掛け合っていたからだ。
                  当然,他们不是紧急召集的,而是因为静子从很早之前开始就一直协商着让他们调动军队。
                  流石に柴田勝家や明智光秀など武将本人が出てくるとは、静子も思っていなかったが。
                  连静子自己都没想到会出现柴田胜家、明智光秀等武将本人。
                  彼らを呼んだ第一の理由は、武田軍に驚きを与えるためだ。いくさにおいて混乱で思考が停止する事は、時として致命的な敗北を招くことがある。
                  叫他们来的主要原因是为了给武田军一个惊喜。在战斗中,混乱可能会导致思考停滞,有时会带来致命的失败。
                  特に武田信玄のように、直感ではなく理論でいくさの流れを組む者にとって、想定外の状況が舞い込む事は思考の深みにはまりやすい。
                  特别是对于像武田信玄这样跟随战争流程的理论派,意外情况容易陷入深度思考中。
                  実際、馬場信春と山県昌景が討ち取られ、突如として織田軍の増援が現れた事で混乱した信玄は、次々と軍が瓦解していく事に対処しきれなかった。
                  实际上,信玄因为马场信春和山县昌景被击败,突然出现的織田军增援使得混乱无法处理,导致他无法对接连崩溃的军队采取措施。
                  ようやく信玄の思考が立ち戻り、武田軍を立て直したものの、状況を変えようとした一点突破は、新式銃による面制圧を前にあえなく崩れ去った。
                  终于信玄的思考回到了正途,重新组织了武田军,然而试图改变局势的突破口,在新式枪支的面前毫无力量,最终溃败了。
                  だが信玄もやられっぱなしではなかった。高坂昌信に一点突破が失敗した場合、諏訪勝頼を連れて撤退しろと命じていた。そのため、織田・徳川連合軍は諏訪勝頼を逃すこととなった。
                  但是信玄并不是被打败了。他命令高坂昌信,如果一次突破失败,就带着諏訪勝頼撤退。因此,織田・徳川联军失去了追捕諏訪勝頼的机会。
                  三方ヶ原の戦いで完全に武田を壊滅させるという信長の思惑は、達成する事が出来なかったが、それでもこれ以降、武田が織田に勝つ事は不可能となった。
                  信长原本计划在三方原之战中彻底摧毁武田家,但未能达成目标,但此后武田家在与織田家的战争中不再可能获胜。
                  ただし武田の滅亡は信長にとっての悲願であるため、たとえ武田が僅かな兵しか動かせなくなっても、完璧に滅ぼし尽くすだろう。
                  然而,武田的灭亡是信长渴望已久的事情,即使武田只能动员少数士兵,信长也会完美地摧毁他们。


                  IP属地:天津9楼2023-04-08 02:31
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                    「お見事です。策が綺麗に決まると、こうも美しいとは思いもよりませんでした」
                    「真是厉害啊。我以为即便谋略再出色,也没想到可以做到如此美妙」。
                    投降兵の処理を終えた竹中半兵衛が静子を労る。
                    竹中半兵衛处理完投降兵后,慰问静子。
                    「お疲れ様です。あの、死傷者はどれほどでしょうか?」
                    “辛苦了。那么,死伤者有多少人呢?”。
                    武田軍の死傷者は想像も付かないが、織田・徳川連合軍にどれだけの死傷者が出たか、それは静子も把握していなかった。
                    无法想象武田军的伤亡情况,但静子也没有掌握織田德川联军的伤亡人数。
                    何しろそのような事を把握する前に、次々と策を実行しなければならなかったからだ。落ち着いた今、竹中半兵衛が調べてようやく死傷者の数が判明した。
                    结果我们必须在了解这些事情之前立即采取行动。现在事情已经平息,竹中半兵衛经过调查确认了死伤人数。
                    「ふふっ、驚くべき事です。我らの死傷者は100ほどです。徳川と合わせれば300から400になりましょうが、これは高坂や諏訪の抵抗が予想以上に激しかったためでしょう。ですが武田の総力戦を相手にして、この数は驚きとしか言いようがありません」
                    “呵呵,真是令人吃惊。我们的死伤者只有100人左右,加上德川家的死伤者大概有300到400人,这是因为高坂和诹访的抵抗比预想的还要激烈吧。但是面对武田的总体战,这个数字只能用惊讶来形容。”
                    大げさな手振り身振りをして驚く竹中半兵衛だが、冷静な彼でも今回の死傷者の数は驚くべき結果だった。同時に、新式銃がいくさの勝敗を決め、負傷者の数を増やす事も理解した。
                    竹中半兵卫做出夸张的手势和姿态,非常惊讶,但他冷静的情况下,这次死伤的人数也是一个惊人的结果。同时,他也认识到新式枪可以决定战争的胜负,同时也会增加伤员的数量。
                    「がっはっはっはっ、武田が尻尾を巻いて逃げる様は、二度とお目にかかれないであろうな! かの上杉ですら見たことのない光景、まっこと小気味よいわ!」
                    “嘿嘿嘿,武田打着尾巴逃跑的样子,你们恐怕再也看不到了!这是连上杉都没有见过的景象,真是让人感到愉悦!”
                    「二度と見られぬ光景というのは賛同いたすが、あまり下品にわめくものではないぞ」
                    「再也看不到的景象是值得赞同的,但不应该太粗俗地大喊大叫」
                    「良いではないか。こういう時は、派手に騒いだ方が、みな実感がわくものよ」
                    “这不是很好吗?在这种情况下,大声喧哗会让每个人都有实感。”
                    後片付けを終えた柴田や光秀、佐々など織田家の武将たちが、静子のいる本陣へ戻ってくる。遅れて森可成や前田利家が戻ってくる。
                    清扫完毕的柴田、光秀、佐々等织田家武将回到位于静子的本阵。森可成和前田利家随后归来。
                    そして武田の背後に陣取っていた徳川軍が戻ってきたところで、ようやく織田・徳川連合軍が集結した。
                    然后,在武田军队的背后布阵的德川军队回到了原来的位置,终于織田和德川联军集结完毕。
                    長可や慶次は彼らより先に戻っていたが、森可成に褒められた事で感極まった長可を落ち着かせているため、現在静子の許にはいない。
                    长可和庆次虽然比他们先回来了,但因为被森可成称赞而激动的长可需要平静下来,所以现在不在静子身边。
                    「お疲れ様です、静子殿。まずは我が徳川の危機を救って頂き、感謝の念に堪えませぬ」
                    “辛苦了,静子殿。首先对您拯救我们德川家的危机,我们感激不尽。”
                    戻ってきた家康が静子を見るやいなや、頭を下げて礼を述べる。後ろにいた忠勝や半蔵も、家康に続いた。
                    回到家康看到静子,便低头行礼。忠胜和半藏站在他身后,紧随其后效仿他的举动。
                    彼らだけではない。あまり面識がない徳川家家臣たちや、彼らの近習、さらには兵たちまで同じだった。
                    不仅仅是他们,连德川家臣们和与他们交往不深的人,他们的近侍,甚至连士兵都是一样的。
                    「お、お顔をお上げ下さい、徳川様。そんな、私ごときに下げられて良い頭ではございません」
                    "请抬起您的头,德川大人。像我这样的人是不配让您低头的。"
                    「いいえ、貴女がいなければ我が国は武田に蹂躙されておりました。この家康の頭で良ければ如何ほどにも下げさせて頂きます」
                    “不,如果没有你,我们的国家会被武田蹂躏。只要家康的头脑还算正常,无论如何也要低头”
                    困ったな、と思った静子は視線を彷徨わせるが、見事に全員から視線を外された。裏切り者、と内心泣きつつ家康が頭を上げるのを待つ。
                    感到为难的静子四处张望,但却被所有人注视的目光避开了。她内心痛苦地认为自己是一个叛徒,并等待着家康抬头。
                    「徳川殿」
                    "徳川大人"
                    ようやく家康が頭を上げた時、佐久間と平手、水野が一歩前に出た。彼らは兜を脱ぐと、家康に対して頭を下げた。
                    终于当家康抬起头来时,佐久间、平手和水野向前迈了一步。他们摘下头盔,向家康鞠躬。
                    「徳川殿へ武田と内通という疑心を向けた我らの無礼、心よりお詫び申し上げたい」
                    「我们对怀疑武田与德川大人串通一气的行为表示歉意,诚挚向德川殿下致歉」。
                    「徳川殿の立場を理解せず、己の浅慮で徳川殿と家臣の方々を侮辱した我らの罪、平にお詫び申し上げます」
                    “我们不理解德川大人的立场,用自己的浅薄行为侮辱了德川大人和家臣们,现在向他们谢罪。”
                    「徳川殿のご裁定に従い、いかなる処分も甘んじて受ける所存でございます」
                    「本人将遵循德川殿的裁定,甘愿接受任何处罚。」
                    「あの状況では仕方ありません。終わりよければすべてよし、です。何もかも水に流しましょうぞ」
                    “在那种情况下没有办法。如果结果是好的,那就一切都好了。我们应该忘记所有的事情。”
                    「徳川殿の寛大なお心、ありがたく存じます」
                    「感谢德川大人的宽宏大量之心」
                    織田と徳川の間にあったわだかまりが消え、同盟が強固になったと静子は思った。空を見上げると空はあかね色に染まっていた。
                    织田和德川之间的不和消失了,同盟变得更加牢固,静子想。抬头看天空,它被染成了淡紫色。
                    いくさを始めたのが昼間辺りだから、かれこれ数時間は戦っていた事を、静子は今さらながら認識する。
                    因为开始战斗的时间是在白天左右,所以静子现在才意识到已经战斗了几个小时。
                    だが静子には武田とのいくさの後に、もう一つやる仕事が残っていた。とはいえ、今はその事を忘れ、勝利に酔いしれて騒ぐ時間だと思った。
                    但是静子还有一项工作留在武田之后要做。不过,现在她想先忘记这件事,沉醉在胜利的喜悦中,享受欢闹的时光。
                    「では浜松城に戻りましょうか」
                    "那我们回浜松城吧"
                    「あ、その前に一つご相談、というお話があります」
                    「啊,之前有一件要商量的事情想要和你谈谈。」
                    「はい? 何かありましたでしょうか?」
                    “喂?有什么事吗?”


                    IP属地:天津10楼2023-04-08 02:38
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                      すぐに話し合わねばならない事があったかな、と静子は小首を傾げた。
                      静子皱起了眉头,觉得可能有一些需要立刻商讨的事情。
                      いつになく可愛げのある仕草に忠勝が悶絶していたが、生暖かい表情を浮かべた半蔵と康政が素早く静子の視界に入らないよう隠す。
                      忠胜因为莫名其妙的可爱动作而感到苦恼,而半藏和康政则微笑着,迅速把静子的视线遮掩起来。
                      家康の後ろで謎の攻防が繰り広げられている事に気付かない静子は、家康の次の言葉を待った。
                      静子没有注意到在家康身后正在进行一场神秘的攻防战,她等待着家康的下一句话。
                      「捕縛した信玄が貴女に会わせろと五月蠅くてですね」
                      “抓住信玄后,他一直叨念着要见你。”
                      「ああ、え? 私に?」
                      "啊,嗯?见我?"
                      「はい。なにぶん、我らの一存では決められないため、判断を伺いに参りました」
                      “是的。因为这并不取决于我们的决定,所以我们前来听取判断。”
                      家康曰く、信玄は口から血を吐きながらも、静子に会わせろと言っているとの事だ。静子はあくまで信長の家臣であり、家康の意向で会わせる訳にもいかなかった。
                      据家康所说,信玄在嘴里吐血的同时,仍然要求与静子见面。静子毕竟是信长的家臣,不能只凭家康的意思就让她去见面。
                      「会う必要はない。どうせ敗戦の恨みごとを口にするだけだ。そんな戯れ言に付き合う必要はなかろう」
                      "没有必要见面。毕竟只会说失败的怨言。没有必要陪同这样的闲话。"
                      静子が考える前に足満が即断で拒絶の意思を示した。誰もが判断に迷う中、一瞬で結論を出すのは流石と言えた。
                      在静子考虑之前,足满立刻表示拒绝的意愿。在所有人都犹豫不决的情况下,能够在瞬间得出结论,确实令人钦佩。
                      「うーん、別に良い気がするけど、最期に会うのが私とか後々不名誉にならないのかな?」
                      "嗯,感觉没什么问题,不过和我最后见面不会给他带来不名誉吧?"
                      首を取られる直前に女子と会っていました、などと言われれば信玄の名誉が傷つかないかと静子は考えた。流石に自分のせいで信玄が笑い者になるのは勘弁願いたかった。
                      静子想,如果信玄在被斩首之前见过女子,会不会有损他的名誉。她不想让信玄因为自己而成为笑柄。
                      「問題なかろう。本人が選んだ道だ。その結果を本人が甘んじて受けなくてどうする」
                      "没有问题。这是本人选择的道路。如果他不甘愿接受结果,那又怎么样呢?"
                      「そうかな。まあ向こうが望んでいるのなら、私としては別に問題ないけども」
                      “是吗。嗯,如果对方希望的话,对我来说没有问题。”
                      静子の一言で面会は実現した。だが仮にも一番の立役者をそのまま、という訳にはいかなかった。事後処理に数名残ったものの、大半の者が護衛として静子に付いていく事となった。
                      静子的话实现了面见。不过最主要的参与者不能原封不动地留下。事后处理留下了几个人,但大多数人都跟随静子当护卫去了。
                      (とんでもない事になったなぁ)
                      "(这变成了一件很糟糕的事情)"
                      いつも以上に周囲ががっちり固められている事に、静子は笑うしかなかった。しかし、この期に及んで自分が間抜けをすれば、それは他の者の不名誉になるため護衛を受け入れた。
                      始终被周围严密包围的事实让静子只能笑笑。但是,如果她现在表现得愚蠢,会给其他人带来不光彩,因此她接受了护卫。
                      移動といってもたいした距離は歩かない。信玄は捕獲されている身だが、病気が理由で動かせないゆえ、三方ヶ原台地に仮で立てた陣の中にいた。
                      即使是移动,也不需要走很远的距离。信玄被捕获,但因病无法移动,因此他被安置在三方原台地的临时营地中。
                      彼だけでなく、近習たちもまた同じように捕獲されていた。
                      不只是他,连他的近臣们也被同样捕获了。
                      立場のことも考え中央に家康、左側に忠勝などの徳川家家臣、右側に静子と才蔵、足満、そして柴田や佐々などの織田家家臣が陣取る事となった。
                      在考虑立场的情况下,家康位于中央,忠勝等德川家的家臣位于左侧,而静子、才藏、足満以及織田家的家臣如柴田和佐々等则位于右侧。
                      各自が所定の位置に就くと家康は兵に信玄を連れてくるよう命じた。少しして後ろ手に縛られた信玄が兵に連れられてくる。
                      各自就位后,家康命令士兵把信玄带来。不久被绑了起来的信玄被士兵带了过来。
                      信玄はトレードマークとも言える甲冑や兜は身につけておらず、坊主を彷彿とさせる服装の姿だった。呼吸音は荒く、一目で容態が悪い事が窺えた。
                      信玄没有穿着堪称标志的甲胄或头盔,而是一身和尚装扮。呼吸声很急促,一眼就能看出病情不太好。
                      「お待たせしました。貴方の望み通り、近衛殿の娘をお連れしました」
                      "不好意思让您等了。按照您的要求,我带来了近卫殿的女儿。"
                      ギョロリと信玄の目が動き、静子を捉える。全てを見透かそうとするその目に、静子は思わず腰が引けそうになった。だが腰が引けるより前に、足満が前に出て信玄から静子を隠す。
                      两只眼睛转动着,信玄的目光扫向静子。静子不由得感到畏惧,似乎这双眼睛可以看穿一切。但是在她感到畏惧之前,足满已经迈出一步,将她藏在信玄背后。
                      「殺気を向けるなら容赦はせぬ」
                      "如果你朝我发出杀气,我不会手软"
                      「いや、大丈夫だよ。それより見えないから退いて頂戴」
                      “不,没事的。比起这个,请退后点吧。”
                      信玄を睨み返す足満だが、静子から邪険に扱われて悄然としながら身を退いた。自分に活を入れた後、静子は一呼吸置いて信玄を見つめ返す。
                      凝视信玄的足满,被静子冷酷对待并默默离去。经过自我激励后,静子稍作休息,再次注视着信玄。
                      暫く無言で見つめ合っていたが、ふいに信玄が笑みを浮かべる。
                      一段时间的相视无言,突然信玄露出了微笑。
                      「ふっ、このような間抜けな女子にわしは負けたのか。しかし、何とも言えぬ心地じゃ」
                      “唉,我输给了这种愚蠢的女子吗。不过,这种心情难以形容啊。”
                      それは信玄なりの褒め言葉だが、静子は誰と顔を合わせても、毎度間抜けと言われる事に泣きそうになっていた。
                      这是信玄的赞美之词。但无论面对谁,静子总是被说是个傻瓜,这让她都快哭了。
                      どうしてその評価になるのか不思議に思う静子だが、他の武将のように気迫がなく、ともすれば恫喝で日和りそうな見た目と雰囲気を漂わせている事が原因と本人は気付いていない。
                      静子想知道为什么她会得到这样的评价,但她没有意识到,这是因为她没有其他武将那样的气势,看起来甚至像会被威胁吓倒的感觉。而她自己却没有意识到这是评价的原因。
                      「近衛の娘よ、名は何という」
                      「近卫的女儿啊,你叫什么名字」。
                      「え、あ、はい。静子と申します」
                      "嗯,啊,好。我叫静子。"
                      「そう畏まる必要はない。そなたはこのわしを打ち倒したのだ。堂々としてくれねば、わしの名が廃る」
                      “无需畏缩。你已经打败了我。如果你不堂堂正正,我的名声会毁掉。”
                      そう言って信玄は笑う。彼はただただ心地よかった。人生に於いて最初で最後の大黒星、それが静子のような者に付けられたのだ。
                      这样说着信玄笑了。他只觉得舒适自在。人生中第一次也是最后一颗大黑星,落在了静子这样的人身上。
                      他の者ではこういった気持ちにはならなかったと、信玄は漠然と思った。
                      信玄漠然地想,其他人不可能有这样的感觉。
                      「いや、私だけじゃなく、みんなが付いてきてくれたからで、私は後ろであれこれ言うだけでした」
                      “不,不仅是我一个人,大家都跟着我来了,我只是在后面说了一些话而已。”
                      「ふはははっ! 天下の武田との勝ちを驕らぬとはな。あくまで目立つのが嫌、か。貴様は何をしていても己を誇示しようとしなかった。だからこそ周りも見落としてしまった。わし自身も、嫌な予感だけで説明がつかなかったから無視してしまった。ふふっ、完敗じゃ」
                      "哈哈哈!击败了天下的武田却不骄傲。归根究底是讨厌引人注目吗?你无论做什么都不想炫耀自己。正因为如此,周围的人都忽略了。我自己也有不祥的预感,但无法解释,所以就无视了。呵呵,完败啊。"
                      それは誰もが耳を疑う言葉だった。信玄が明確に敗北を認めた。それも完敗という言葉で。言葉を紡いだ信玄よりも、織田・徳川の武将たちの方が動揺した。
                      那是一个令人难以置信的话。信玄明确承认了失败。并用“完败”这个词来形容。比起说出这句话的信玄,织田和德川的武将们更加动摇。
                      周囲の驚きを無視し、信玄は独り言を呟く。言葉を吐くたびに彼は自分の中で折り合いをつけているようだ。信玄の表情が徐々に毅然とした面持ちに変わっていった。
                      无视周围的惊讶,信玄喃喃自语。似乎每说一句话他都在内心找到平衡点。信玄的表情逐渐变得坚定有力。
                      「徳川の坊ちゃん、わしから盗った軍配団扇を静子殿に渡せ。あれは貴様如きが持って良いものではない」
                      「德川家的小子,把从我那里偷来的军配团扇交给静子殿下。那不是你这样的人可以拥有的东西。」
                      不遜たる態度で信玄は家康に命じる。信玄の堂々たる態度に、勝った側にいる家康が狼狽していた。
                      信玄以不逊的态度命令家康。信玄的傲岸态度,让处于胜利者位置的家康感到十分狼狈。


                      IP属地:天津11楼2023-04-08 02:41
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                        場の雰囲気に飲まれた家康は兵に命じて、信玄の軍配団扇を持ってくるよう命じる。少しして兵が信玄の軍配団扇をお膳に載せて戻ってきた。
                        被现场气氛所影响的家康命令士兵拿来信玄的军配团扇。不久后,士兵拿着信玄的军旗团扇回来放在盘子里。
                        「それじゃ、間違いない。はよう渡せ」
                        “那没错了,快点交给我吧。”
                        「ああのー、盛り上がっている所すみませんが、軍配団扇より来國長(らいくになが)とか和泉守兼定(いずみのかみかねさだ)の方が良いのですが……」
                        「不好意思打扰热闹,但是比起军配团扇,还是来国长和和泉守兼定比较好……。」
                        静子が小さく手を上げながら、おそるおそる信玄に声をかけた。来国長とは武田信玄が愛用した佩刀だ。
                        静子小心翼翼地举起手,向信玄慢慢地说话。来国长指的是武田信玄所钟爱的佩刀。
                        史実では信玄亡き後、紆余曲折を得て江戸時代に柳沢美濃守吉保が、信玄菩提寺の恵林寺に奉納した。他にも(2代)和泉守兼定という信玄所用の愛刀がある。
                        史实上,在信玄去世之后,经过曲折历程,江户时代的柳泽美浓守吉保向信玄菩提寺的恵林寺献上了供品。此外,还有用过的信玄爱刀——和泉守兼定(第二代)。
                        静子にとっては信玄の軍配団扇を貰っても使い道がないため、譲られるなら彼が愛用した刀の方が良かった。
                        对静子来说,即使收到信玄的軍配团扇,也没有用处。如果有人让给她,那么她更希望得到信玄所钟爱的刀。
                        「……く、くっくっくっ、はっはっはっはっ! 噂通り刀の蒐集家か。構わん、持って行け。貴様が持つなら安泰だ」
                        “呵呵呵,哈哈哈!……听说你是收集刀的家伙啊。没关系,拿去吧。如果是你拥有的话,那就没问题了。”
                        何が理由で静子を気に入ったのか不明だが、信玄は気前よく刀も静子に譲った。こうして静子の許に信玄が使った軍配団扇と愛刀が置かれる。
                        不清楚信玄喜歡靜子的原因,但他慷慨地把自己的刀交給了靜子。這樣,信玄使用過的軍配团扇和愛刀就被放在了靜子的地方。
                        一瞬だけ刀に目を輝かせた静子だが、自分がどこにいるか理解するとすぐに表情を引き締めた。
                        静子只是短暂地盯着刀发亮了一下眼睛,但她一旦明白了自己身处何处,立刻就收紧了表情。
                        「次は泉下(せんか)(あの世)にてやり合おう」
                        "下次在泉下相见吧。"
                        この世でするべき事は終えた信玄は、これから斬首されるとは思えないほど穏やかで、泰然とした表情を浮かべていた。
                        信玄完成了在这个世界上该做的事情,脸上浮现出平静、泰然的表情,让人难以相信他即将被斩首。
                        「もうこんな疲れる事はご免です」
                        "再也不想做这种累人的事了"
                        「ぬかせ、勝ち逃げなどゆるさんぞ。泉下で家臣たちと切磋琢磨し、今度はわしが貴様の度肝を抜いてやる」
                        “别想逃掉,我不会放过你的。我会和家臣们在泉下切磋琢磨,下次我会让你大吃一惊。”
                        静子の返答にニヤリと笑った信玄だが、急にその顔が歪み強く咳き込んだ。三回目の咳き込みで、彼は口から血を吐いた。
                        信玄听到静子的回答后露出了坏笑,但突然脸色扭曲,开始剧烈咳嗽。在第三次咳嗽时,他从口中喷出了鲜血。
                        信玄は胃ガンを患っていたと言われているが真相は不明だ。その病状が悪化したと思った静子は、衛生兵を呼ぼうとした。
                        据说信玄患有胃癌,但真相不明。静子认为病情加重,想呼叫卫生兵。
                        「良い、わしの体の事じゃ。わしが一番よく知っておる」
                        “免了,这是我的身体。我最了解它。”
                        口の中の血を吐き捨てると、信玄は呼吸を整える。落ち着きを取り戻したところで、彼は周囲の驚きを無視して立ち上がる。
                        吐出口中的血后,信玄恢复了呼吸。平静下来后,他无视周围的惊讶站了起来。
                        「また会おう」
                        "后会有期"
                        それが信玄の最期の言葉となった。日が沈む前、彼は忠勝の手によって首を斬り落とされる。
                        那成为信玄的最后一句话。在太阳落山前,他被忠胜砍下了头。
                        忠勝が信玄の首を落とした理由は、信玄が捕縛されても一切うろたえる事なく、戦国最強の名に相応しい最期を見せてくれた事への、織田・徳川連合軍の武将たちなりの手向けだった。
                        忠胜亲自砍下信玄首级的理由,是因为信玄即使被捕也一点不动摇,展现出与战国最强之名相称的结局。这是织田・德川联合军的武将们表示的敬意。
                        そして信玄の首は衆人の目に晒される事なく、信玄の近習たちの手によって甲斐へと帰国した。
                        之后,信玄的首级没有暴露在众人眼前,由信玄的侍从们亲手送回了甲斐。
                        武田(たけだ)徳栄軒(とくえいけん)信玄(しんげん)、三方ヶ原の戦いにて討ち死に。
                        武田德荣轩信玄,在三方原之战中战死。


                        IP属地:天津12楼2023-04-08 02:43
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                          中间有一部分原文系统原因,无法贴出。请各位自行到原网站查看


                          IP属地:天津13楼2023-04-08 02:44
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                            翻译的挺不错的


                            IP属地:吉林14楼2023-04-15 19:45
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                              大佬,请问有87以前的么?


                              IP属地:广东来自Android客户端15楼2023-05-10 11:55
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